【新唐人2016年12月23日】
2016年のミス・ワールドの決勝戦が18日、米ワシントンD.C.で行われました。今回の大会では、カナダ代表のアナスタシア・リンさんが大会事務局より、メディア取材への対応や公的な発言を行うことを数週間にわたって禁じられ、大きな注目を集めました。
アナスタシアさんは昨年もミス・ワールドのカナダ代表でしたが、中国の人権問題を批判したために、中国への入国ビザが発給されず、中国での決勝戦に出場できませんでした。
ミス・ワールドの大会事務局は、今年12月に米ワシントンD.C.で開かれる決勝戦にアナスタシアさんがカナダ代表として参加するのを認めると発表したものの、「人権問題に触れないこと」と発言を制限し、メディア取材への対応や公的な発言を行うことを禁止しました。
「ボストン・グローブ」のコラムニスト、ジェフ・ジェイコビ氏は13日付けの同紙で、ミス・ワールド主催者側がこの数週間、多くのメディアがアナスタシアさんを取材するのを妨害してきたと指摘しました。2週間前、ジェイコビ氏がアナスタシアさんが投宿したホテルのロビーで取材を行おうとした際、駆け寄ってきた大会関係者に中断させられ、2人がアナスタシアさんを押すようにしてその場を離れさせた上、アナスタシアさんが大会の規定に違反しトラブルを起こしていると非難したと明らかにしました。
「ニューヨーク・タイムズ」によると、主催者側はアナスタシアさんが主演する中国の「良心の囚人」に対する臓器狩りをテーマとした映画「血まみれの刃」の米国公演に、アナスタシアさんが出席することも妨害しました。また、アナスタシアさんの父親が中国当局に脅迫を受けている件についてアメリカ国務省と面談を行うことも許可されなかったと言います。結局面談は行ったものの、主催者側の職員が同席しました。また、面談に同席した職員は、面談の写真などをツイッターに投稿するのも断りました。
アメリカ在住の時事評論家・邢天行(けいてんこう)さんは、アメリカで開催されるコンテストでこのような事が起きていることに驚きを示しました。
アメリカ駐在の時事評論家 邢天行さん:「ミス・ワールドの職員が、このような乱暴なやり方でアナスタシアさんの声を封じるのは、アメリカ人の一般的な行動基準に反しています。このような異常な行為は、当機構が中国共産党の指示または圧力を受けていると疑わないわけにはいきません。民主国家でこのように中国共産党に代わって、封じるということは背後に巨大な利益の関わりがあるからに違いありません。」
「ボストン・グローブ」によると、ミス・ワールドは中国との関係が緊密で、2003年以来、中国の三亜(さんあ)市で6回も大会が開催され、中国当局から数百万ドルの許可証費を得ているほか、放送契約によって数百万ドルの利益を生み出しました。ミス・ワールドのホームページに掲載されている2016年のスポンサーと協力団体は、すべてある中国企業の関連団体であることがわかりました。
アメリカ在住の時事評論家 邢天行:「次期与党となる共和党政権はこの問題を認識し、中国共産党が米国の団体に関与することを大幅に制限すべきです。中国共産党の代弁者を務める人たちや人権を踏みにじる人たちに対して、なんらかの措置をとるべきです。そうしなければアメリカの真の価値観である建国の理念を守ることはできません。」
「ニューヨーク・タイムズ」は、人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの中国部長ソフィー・リチャードソン氏の話として、中国共産党がアナスタシアさんの声を封じるのは、西側の自由を無視し、世界の世論をコントロールして、国内の検閲を海外へ輸出する「悪質な行為」だと指摘しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/12/16/a1302187.html(中国語)
(翻訳/吉田 ナレーター/根本 映像編集/李)