【新唐人2017年2月26日】
昨年2度の核実験と今月12日に中距離弾道ミサイルの発射実験を行った北朝鮮に対し、国際社会から非難の声が高まっています。北朝鮮の核原料入手先がパキスタンであることはすでに明らかになっていますが、パキスタンの核開発技術や原料は中国の援助によるものだと専門家が指摘しています。
アメリカ空軍大佐のチャールズ・D・ルテス氏は2005年、「新しい核拡散者の出現」という報告書を発表し、パキスタンが北朝鮮やイランに核技術を密輸していると指摘しています。
ではパキスタンの核技術はどこから来たものでしょうか。それは中国からであると中国原子力研究所の元研究員、黄慈萍(こう じへい)氏が指摘しています。
元中国原子力研究所核物理研究員 黄慈萍氏:「私は中国の原子力研究所に在籍していた1980年代、核技術をパキスタンやその他の国に供与する仕事に携わりました。それらの国々から専門家が中国へやって来て学んだり、中国の専門家をパキスタンに派遣して技術指導を行ったりしました。」
核開発には技術だけでなく原料も必要で米紙『ワシントンポスト』は2009年、「中国は1982年パキスタンに核弾頭2発分製造できる50キロの濃縮ウランを供与した」と語ったパキスタンの「核開発の父」、アブドル・カディル・カーン博士の証言を報じています。
黄慈萍氏:「中国とインドの関係が良くなかったので、中国はパキスタンの核兵器開発を支援してインドに対抗しようとしたのです。こうした無責任な行為を目の当たりにした私は、先進技術は人類の役に立つのか、それとも不幸にするのか、疑問を抱くようになりました。」
1992年、中国は核拡散防止条約に加盟。
1998年、パキスタンは初めて核実験を行い、世界で7番目の核保有国となりましたが、核弾道ミサイル開発技術はまだ有していません。
2000年、中国は「いかなる形でもいかなる国の核弾道ミサイルの開発を支援しない」ことを約束しました。
しかし2001年9月、中国の冶金(やきん)設備総公司が、パキスタンに弾道ミサイルの部品を輸出したとしてアメリカの制裁を受けました。
ハーバード大学政治経済学博士、「公民の力」創始者 楊建利(よう けんり)氏:「中国政府はアメリカからの圧力を受けて、中国冶金設備の5人を有罪にしました。」
楊氏は2002年、中国東北部の失業問題の状況を調査したため逮捕され、北京市の国家安全局で拘留されていた時、中国冶金設備の官員と偶然同室になりました。
楊建利氏:「政府の命令を受けて輸出したのに、自分はスケープゴートにされたのだと彼は言っていました。国務院や中央から書面で指示を受け輸出したのであり、文書もみな残っていると言いました。不服なら汚職罪について調査するとも言われたそうです。結局複数の罪を着せられて、5人に対し8年~10年の判決が下りました。」
中国の援助により確立されたパキスタンの核技術は、密かに北朝鮮に移転されていました。さらに、米司法省に起訴を受けた遼寧市の貿易会社、鴻祥(こうよう)実業のように、中国企業が長期にわたって北朝鮮に核開発に必要な材料を密輸してきました。
今や核技術を持った北朝鮮は、中国政府の言うことを聞かなくなっており、米、中、北朝鮮の関係や中国東北部の安全にとって頭の痛い問題となっています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/02/22/a1312755.html (中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)