【新唐人2017年3月15日】
中国政府が思想教育の強化を進める中、中国の子供たちに人気の外国の児童書も検閲の対象となっています。国内の出版社は、2017年に外国児童書の出版制限を開始するとの通知を受け取りました。中国政府は「国外勢力」の影響を制限することを理由に挙げ、子供の頃からしっかり思想教育を行わねばならないとしています。
アリババグループ傘下のネット通販タオバオがこのほど突然、3月10日から中国以外の国で発行された出版物の販売及び並行輸入を禁止すると発表したことをめぐり、中国政府が外国の出版物に対する検閲を強めているとの声が上がっています。
『ボイス・オブ・アメリカ』が中国国内の出版従事者の話として伝えたところによると、「国外勢力」の影響を抑えイデオロギーの保護を強化するため、2017年から外国の児童書の出版を制限すると多くの出版社が口頭で通知を受けたといいます。
言語文化コラムニストの高天韻(こう てんいん)氏は、中国共産党政権は誕生から60年以上にわたり、教科書の記述を厳しくコントロールするなど、イデオロギーの植え付けに余念がないと指摘しています。そして今、児童書までも「国外勢力」として見なし制限しようとしているのは、政権がかつてない局面に直面しているからだと高氏は言います。
言語文化コラムニスト 高天韻氏:「中国共産党政権の根本が揺るいでいることを示しています。現在中国の社会ではたくさんの問題が生じており、国民の不満が高まっています。国民も政府役人も共産主義など信じていないので、共産党に未来はないのです。民衆は共産党政権は合法なのか疑い始めているのです。」
高氏は、多くの民衆や政府関係者が共産党政権が崩壊することを望んでいると述べています。中国政府がこのほど外国の児童書の出版を制限することにしたのも、政権崩壊への恐れから自分の地位を堅固にしようとの意図がありますが、無駄な努力となるでしょう。
その理由は、ネット通販大手アマゾンの中国語サイトでは児童書の売れ筋ランキングの上位10冊のうち7冊が外国の児童書という事実が示すように、中国人には外国の児童書が人気だからです。
報道によれば、この禁止令はすでの実施されており、新聞出版総署は一部の輸入児童書の図書コードの発行を拒否したり、延期ののち出版に至らせないようにしています。
また昨年末、中国政府は「国家主権とイデオロギー」は子供の頃から植え付けなければならないとして、私立の小中学校の国際版教材の授業への管制を始めた。国内で厳しく外国文化を制限し国民に洗脳教育を施す一方で、中国の伝統文化を隠れ蓑に外国へイデオロギーをばらまいています。
中国政府が西洋の価値観を激しく批判する一方で、政府の役人は子女たちを西洋の大学へ留学させるというおかしな矛盾も起きています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/03/14/a1315726.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)