【新唐人2017年3月19日】
年に一度の「両会義(全国人民代表大会と政治協商会議)」が閉幕しました。今年の政治協商会議では、政府が公表するデータは欺瞞に満ちていると指摘する厳しい批判が勇気ある会議委員から提出されました。
政治協商会議最終日の13日、同会議委員の張泓銘(ちょう おうめい)氏は、最高裁判所と最高検察院が今年発表した報告書が、激しい世論を引き起こした「雷洋(らい よう)事件」「炎黄春秋(えんこうしゅんじゅう )事件」「鄧相超(とう そうちょう事件」について触れていないことを批判しました。張委員は「何をもって法治国家と言えるのか。非常に傷ついた」と述べました。
中国問題研究家 文昭氏:「これらの事件は中国の法治の現況を反映するものです。『雷洋事件』とは、容疑者の警察官が不起訴となったものです。『炎黄春秋事件』とは『炎黄春秋』という雑誌が中国芸術研究院に違法にのっとられた後、裁判所が立件しなかった事件です。『鄧相超事件』とは鄧相超が毛沢東左派から人身攻撃を受けたのを警察が黙認した事件です。検察、裁判所、警察の三者が法に背いた事件であり、全く法治国家ではありません。」
今回の全人代で最高裁判所が報告した「業務成績」では、第一に2015年7月に大規模に行われた人権派弁護士らの逮捕が挙げられ、これに対し、疑問の声が上がっています。
中国問題研究家 文昭氏:「弁護士の弾圧を裁判所の第一の業績に上げるなど信じがたい。司法が自ら法治を破壊しながらそれを最大の成果と謳っている。」
今回の「両会」では統計データの捏造も大きな話題となりました。
遼寧省の代表団と話し合った習近平国家主席は、同省が公表する経済数値がでたらめだと批判しました。
政治協商会議委員の黄文政(こう ぶんせい)氏はメディアの取材を受け、中国の人口統計データは真実からかけ離れていると述べました。2000年から2010年まで、統計担当部署が出生率を1.23人から1.8人に引き上げて発表した結果、一人っ子政策が強化されたと指摘し、今後10年の出生人口は危機に直面するだろうと予測しました。
中国統計局は、専門の調査機関を設置して経済数値の捏造を正すと表明していますが、各業界ではデータ捏造が常態化しており、調査を疑問視する声も出ています。
全人代と政治協商会議は毎年3月に開催されています。英経済誌『エコノミスト』は、「政治協商会議の委員たちは民主国家における野党や反対勢力ではなく、共産党政権を受け入れている人々であり、民主的のように見せけるお飾りでしかない。彼らは指導者らに礼儀正しく意見を述べ、その意見はたとえ議論されたとしても、ほとんどは無視されるのがおちだ」と報じています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com.tw/b5/20170315/video/192280.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)