【新唐人2017年5月5日】
全米学者協会が孔子学院に関する報告書を発表しました。報告書では、中国政府が孔子学院を通じて政治イデオロギーを世界に輸出し、アメリカの大学における学問の自由を侵害していると指摘し、大学内に設置されている孔子学院はすべて閉鎖するべきと訴えています。同協会は報告書発表に伴い、ドキュメンタリー映画「孔子の名義で(In the Name of Confucius)」を初めて上映しました。
全米学者協会は2年前、オハイオ州の大学教授から電話を受け、孔子学院の問題について関心を持つようになりました。
全米学者協会会長 ピーター・ウッド氏:「協会の会員が、彼の勤務する大学に開設された孔子学院について、いろいろと尋ねてきたのです。それで、孔子学院のことを何も知らなかった我々は、どういう状況なのか調査に行くことにしたのです。」
全米学者協会はまず、大学内に開設されている12校の孔子学院から調査を始めることにしました。そして2年間かけてまとめられたのが「中国にアウトソーシング:アメリカの高等教育機関の中の孔子学院とそのソフトパワー」と題するのが今回の報告書です。報告書は中国政府が孔子学院を通じて自分の政治イデオロギーを世界に輸出し、アメリカの大学における学問の自由を侵害していると指摘しています。
全米学者協会会長 ピーター・ウッド氏:「調査により、孔子学院を使って中国の国家的な力がアメリカの大学の中にまで及んでいることが証明されました。本当に驚くべきことです。」
全米学者協会研究項目主任 レイチェル・ピーターソン氏:「孔子学院を開設している大学は孔子学院を閉鎖すべきだと我々は考えています。孔子学院の開設は中国政府にアメリカの高等教育を侵害させることで、あってはならないことです。大学の授業を外国の政府にアウトソーシングするのをやめるべきです。」
現在アメリカには103の孔子学院と501の孔子クラスがあります。中国政府は「漢弁」という政府機関を通じて孔子学院に資金、書籍、教師の提供を行っています。資金提供は学院の開設につき10万~20万ドルの支度金、年間数万ドル~数百万ドルの活動経費が含まれています。
全米学者協会研究項目主任 レイチェル・ピーターソン氏:「多くの大学にとって、孔子学院は非常に魅力的です。孔子学院の授業は単位の取得が可能で、大学側は学生から学費を徴収しますが、授業にかかる経費は孔子学院側が持ちます。多くの学校は財政的な理由から孔子学院を開設しています。悲しいことに、学問の自由については全く考えていないのです。」
報告書は、孔子学院が大学と提携を結ぶ際に、大学が孔子学院に対し名誉棄損の行為があれば、提携を解消し、契約内容を漏らさないことを約束させていると指摘しています。金銭的な誘惑と都合のよい契約により、アメリカの大学はさまざまな面で中国政府の支配を受け、基本的な価値観を放棄しています。
全米学者協会研究項目主任 レイチェル・ピーターソン氏:「教授らが議論する話題も制限されています。とくに、孔子学院の教師に対しては、授業で取り上げる議題にも多くの制限がつけられます。中国政府にとって都合の悪い話は議論することができません。」
全米学者協会は報告書の発表と同時に、カナダで孔子学院がどのように受け止められているかを撮ったドキュメンタリー映画「孔子の名義で」を全米で初めて放映しました。監督の秋旻(しゅう みん)さんはこの映画によりアメリカの民衆も孔子学院について考えてほしいと希望しています。
ドキュメンタリー映画「孔子の名義で」監督 秋旻さん:「私たちの自由で民主主義社会が、一党独裁の中国政府と関わりを持つ時に、私たちの社会の価値観や原則を守り切れるかどうか、もう一度よく考えてほしいと願っています。」
映画では、孔子学院の元教師、趙琪(ちょう き)さんが経験したことや、カナダ大学トロント分校の孔子学院の開校を巡って反対運動が起きたことなどを取り上げ、国際社会で孔子学院に対する批判が日増しに高まっていることを描いています。
上映会には多くの政治家や学者等が出席しました。彼らは、映画が、中国政府が孔子学院を開設する真の目的を明らかにしているとし、アメリカ社会への警告であると感想を述べました。
世界政治研究所教授 ポール・コイヤー氏:「我々西側の社会がこの問題に対して、いかに無知で幼稚であるかを知り、驚愕した。自分たちが中国政府の洗脳の対象になっていることに全く気づかなかった。我々はこのことについて注意する必要がある。これは、我々に中国政府の目的は何なのか、そして何をしているのか、を気づかせてくれる非常によい映画だ。」
メリーランド大学孔子学院コーディネーター レベッカ・マクギニス氏:「映画を見て自分の仕事について認識を新たにした。わが校の教師が中国と結んでいる契約について考えさせられた。」
香港大学政治学科助教授 イボンヌ・チュウ氏:「孔子学院の支持者たちが教育委員会の会場の外で『中国共産党万歳』と叫んでいる様子を映画で見て、とても心配になった。」
金融顧問 リサ・マリー・バービエリ氏:「人々がこの問題に関心を持つことが非常に大事。この映画が広範囲に上映され、全米、さらには世界中の人々に見てほしいと思う。」
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/04/29/a1322488.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)