【新唐人2017年5月25日】
北京で開催されていた「一帯一路」経済圏構想の国際会議が15日閉幕しました。中国はグローバル化を牽引してゆくことができるのか、世界のリーダーとなれるのかをめぐり議論が行われています。
評論家 文昭氏:「融通の利かない中国の政治体制では国内経済は行政の干渉を著しく受けます。また困難を乗り切る力も脆弱なため、こうした長期的かつ高度で複雑な戦略的目標を達成することは難しい。現在中国の人件費が東南アジア諸国よりも倍以上高いほか、環境コストや制度コストの問題もあります。制度コストの問題とは先ほど言ったように、権力が常に経済に干渉するため企業に多くの問題をもたらしていることです。たとえば、APECやG20といった国際会議を開く度に企業は数週間も生産を停止させられます。ほかにも国際会議があるので、年間にすれば延べ2カ月も生産を停止しなければなりません。もし中国が本当に資本主義の自由な流通を実現し、国の門戸を開いたなら、多くの中国企業が海外に流出するでしょう。政府が企業の海外流出を妨げているため、人民元は自由兌換ができる国際通貨にはなれないのです。人民元が自由兌換できないため、中国はグローバル化のリーダーとはなれません。こうした矛盾はさまざまな分野に見られます。
それでは中国とアメリカ、どちらが本当の世界のリーダーになれるのでしょうか?中国政府と習近平には、世界で唯一の支配者になりたいという野望があるかもしれません。ですが重要な点は、中国とアメリカの間の経済競争とは自国内における経済をどう活性化するかの競争であって、国際貿易戦略を競っているわけではないということです。中国が「一帯一路」を提案したから、アメリカがTPP離脱を表明したから、アメリカが負けたということではありません。
いくつかの例を挙げて言うと、トランプ政権は法人税の減税計画を推進しています。現在の35%から15%に減税するとしており、この法案が通れば、アメリカに多くの国際資本が流入するでしょう。それではこれに対し政府によって支配されている中国経済はどうなるでしょうか。まず考えられるのは資本流出の規制強化により国内から資本を持ち出せない中国企業は、法人税の低いアメリカに投資を行うことができなくなるという現象です。トランプは「アメリカ優先」「反グローバル化」を唱える一方で法人税を低くし、世界の資本をアメリカに集め、一方の中国は口ではグローバル化を唱えてはいるものの、実際には国の門戸を閉ざしているという、矛盾した現象が現れます。誰か世界のリーダーにふさわしいか。各国代表が参加した今回の「一帯一路」会議は一見、盛大に行われたように見えます。ですが、この先中国とアメリカのどちらが国内の経済を活性化できるかにかかっており、まだまだ道のりは長いでしょう。」
司会 厳真氏:「習近平が本当に偉業を成し遂げたいと望むなら、共産党政権の維持を最優先にすることをやめ、市場化改革を徹底的に行い、経済面だけでなく人類の文明を出発点として真のグローバル化を行わなければなりません。」
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/05/23/a1325810.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)