【新唐人2017年6月14日】
保険大手の「安邦保険集団」会長の呉小暉(ご しょうき)が9日、当局に連行されました。呉小暉は故鄧小平の孫娘の夫で、報道が事実であれば、汚職による摘発だけではなく、その裏にはさらに多くの政治的理由が隠されているものと見られます。
経済誌『財経』は、関係筋の話として、安邦集団会長の呉小暉が9日、政府の「関連部署」に連行されたと伝えました。
安邦集団は14日、呉会長が職務を履行できないため、幹部が代行すると声明を発表しました。
呉小暉は故鄧小平の孫娘の夫で、安邦集団の経営には多くの高級幹部の子弟が携わってきました。
経済学者 夏業良氏:「中国では不動産と金融関連の汚職が最もひどいです。株式市場、保険市場、銀行など金融業界には特権階級一族の影響力が蔓延しています。」
これまでメディアは2年以上安邦集団の汚職疑惑について報じてきました。同社の株主を調べると、86人の投資家が5億6000万元を49社の登録資本総額24億元を謳う企業に投資していることが分かりました。こうした投資により、安邦の98%の株を保有し、600億元以上の登録資本、さらに1兆9000億元の資産を支配しています。
経済学者 夏業良氏:「安邦は高級幹部の子弟の権力によって資産を集めてきたのです。純粋なビジネスによってではなく、勢力によって他社を吸収合併してきたのです。」
2年前から習近平政権は金融リスクを懸念し、金融業界にはびこる利益集団の取り締まりを始めました。
安邦は中国金融リスクの発生要因となると考えられてきました。今年4月、中央規律委員会に近い『財経』が安邦問題を取り上げると、安邦は同誌を告訴し、背後にある権力闘争が浮き彫りになりました。
経済学者 夏業良氏:「習近平が反腐敗運動を続けていけば、必ずや革命第二世代、第三世代の特権階級の腐敗に行きつく。各派閥の家族間の権力闘争も浮き彫りとなる。今回、鄧小平一族に捜査の手を伸ばしたということは、ほかの指導者にも捜査が及ぶということになる。今後、江沢民一族にも捜査の手が及ぶ可能性がある。」
夏業良(か ぎょうりょう)氏は、共産党の元指導者やその家族も反腐敗運動の摘発対象となるなら、政府内部に大きな動揺を招くだろう。腐敗根絶は制度の変革が必要と指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/06/14/a1329032.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)