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北朝鮮6回目の核実験に対する各国の態度を分析する

2017年09月05日

【新唐人2017年9月5日】

韓国の気象当局は9月3日、北朝鮮北東部の豊渓里の核実験場付近で、マグニチュード5.6の人工的な揺れが観測されたと発表しました。北朝鮮当局は同日12時に北朝鮮北部の核実験場で水素爆弾の爆破実験を行ったと発表しています。北朝鮮が水爆実験を行ったのは、核弾頭の小型化が難しいため、数インチしかなく体積がより小さな水爆であれば弾道ミサイルに装着ができるからです。北朝鮮の今回の水爆実験は世界を震撼させました。

 

韓国の文在寅大統領は国家安全委員会の会議で、北朝鮮が6回目の核実験実施により更に孤立を深めるだろうと、述べるに留まりました。一方、アメリカのトランプ大統領と日本の安倍首相は電話会談を行い、トランプ大統領はツイッターで「北朝鮮はならず者国家で、解決を試みながらもほとんど成果を挙げられていない中国にとって大きな脅威であり、やっかいな存在だ」と述べました。中国の態度は曖昧で、北朝鮮の地震に関するニュースの多くがネットから削除されています。

 

各国の態度について分析してみましょう。まず韓国の文在寅大統領は宥和政策を掲げ、日米韓同盟の武力による解決に反対の立場を唱えてきました。日本は自衛のため、北朝鮮に対する石油の禁輸を求めています。北朝鮮の核放棄には石油規制不可欠です。河野太郎外相はテレビ局の取材に対し、石油禁輸は「おそらく最後の選択肢に近いものだ」、「中国とロシアが制裁に同意する必要がある」と述べ、実現の困難さが窺えます。日本の妥協派は、石油禁輸措置を採れば北朝鮮の一般市民に害を及ぼすと反対していますが、それは勘違いで、北朝鮮に与えられた資源を金正恩が国民に配付することはありません。労働党幹部が独占するだけであり、これが共産党政権というならず者政府の姿です。北朝鮮の民衆は秘かに田を耕し食糧を貯えるしか生きる道はありません。これが極端な共産主義政権の実体です。

 

日本の同盟国であるアメリカのトランプ大統領も日本の側に立っています。中国とロシアを取り込み、北朝鮮への石油禁輸措置を実施しようと努力している最中だと、ツイッターで発言しています。ですが実現の可能性は大きくありません。トランプ大統領は就任後、中国に圧力をかけ、鉄鉱石の禁輸など4項目の制裁を行わせてきました。曖昧な態度の韓国にも業を煮やしていますが、米韓貿易協定による外交を行っています。

 

アメリカ国内でもトランプ大統領に壁が立ちはだかっています。議会での予算案、オバマケアの廃止政策などが進んでおらず、北米自由貿易協定の見直しについても議会の承認を得るのに苦心しています。トランプ大統領は国内外から圧力を受けていますが、アメリカ政府は最終的に北朝鮮問題を解決できなかった場合の準備をすでに行っています。3つの航空母艦編隊が朝鮮半島作戦に備えており、原子力潜水艦も戦闘機も戦闘準備についています。

 

歴史とは予測ができるものでありません。小さな出来事や偶然の出来事が積み重なって形成されてゆくものです。これこそ「人事を尽くして天命を待つ」です。政治家やアナリストが未来を分析することはできません。小さな出来事が歴史を決定する可能性は高いのです。凡人である我々は、ただ善と悪の間で態度を表明してゆくしかありません。

 

新唐人テレビがお伝えしました。                

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/09/04/a1340812.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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