【新唐人2017年10月24日】
中国共産党は中国企業のみならず、外国企業に対しても統制を強めています。共産党大会の記者会見で、昨年末までに中国内の外国企業の7割に中国共産党組織が発足したと明らかにしました。政党による企業への統制は、市場システムとは相容れず、様々な問題を生み、企業は最終的には真の国際競争力を失うことになると、専門家は指摘しています。
中国共産党機関紙「人民網」は10月19日、中国共産党中央組織部副部長の斉玉(せいぎょく)氏が党大会の記者会見で、2016年末までに国営企業14万7000社のうち93.2%に党組織が設立され、民間企業273万社のうち67.9%、さらに外国企業10万6000社のうち70%に上る7万5000社に党組織の設立を明らかにしたと報じました。
在米中国経済学者 夏業良氏:「企業家が好むと好まざるとに拘らず、中国共産党が極秘に、或いは公に党組織を設立していることは、誰も信じることができず、党員によって内部監視を行わなければ安心できない中国共産党の不安な心理状態を表しています。ですから党組織は寺院などの宗教団体を含むあらゆる場所に設立されています。国家権力を党が一手に握る一党独裁体制を敷いています。」
斉氏は、企業内に共産党組織を設立することは、企業の経営発展を促すことになり、党組織のアドバイスにより、中国の政策を理解し、雇用問題の解決を図れると話しました。
「北京の春」編集長 胡平氏:「こんなのはでたらめな自由経済です。普段は、共産党の従来の労働団体の役割を演じ、いざという時には、雇用者と労働者の橋渡しをするというものです。党組織設置の目的は雇用問題の解決ではなく、統制し監督することにあります。その時に正体を表すのです。」
「AP通信」の報道によると、中国政府は自由市場を認めるといって企業家を支持する反面、国営企業や外国企業への監視統制を強めています。自由市場と政府の厳しい監視統制、これが中国の発展を阻む問題だと言われています。
元クイーンズランド大学政治学科教授 邱垂亮氏:「規制が多くなれば、それだけ企業の活力は減少します。自由な企業が発展し、新しい創造を行い、規制の多い企業は委縮して新しい創造を行うことはできません。発展するには自由が必要で、統制下においては発展はできません。国民は活力を失い、国家もまた活力を失うのです。」
中国政府は国営企業のさらなる発展を推進しています。2年前には国営企業の大手に民間企業の経験を取り入れる「混合所有制経済」なるものを発表しました。
「ニューヨーク・タイムズ」によれば、中国政府は民間企業が国営企業をサポートするよう推進しています。今年8月にはアリババ集団やテンセントが中国聯通の株主になりました。国営企業の中国聯通は百度(バイドゥ)、アリババ、テンセントなど民間企業に対し、800億人民元の株券を売却すると発表しましたが、民間企業が聯通の経営事項に口を出すことができるとは表明しませんでした。
在米中国経済学者 夏業良氏:「国営企業が自分で経営を維持できないなら、いっそ徹底的に私有化してはどうかという議論もかつてありましたが、今では、どれほど国営企業の経営状態が滅茶苦茶であっても、救わなければならないとする経済政策を打ち出しています。息も絶え絶えの国営企業に輸血をし続けるというのです。かつては政府が面倒を見、今は民間企業に面倒を見るように強いています。これは実際には脅しです。もし民間企業が言う通りにしなければ、ひどい目に遭うのです。」
「ウォールストリート・ジャーナル」は今月、匿名の情報筋の話として、中国政府のネット検閲機構がテンセント、新浪(シナ)ウェイボー、優酷土豆(ヨウク・トゥードウ、動画サイト)など大手の株式を1%購入し、会社の運営に参画することを考えていると報じました。
夏氏は、共産党による企業統制は中国の民間企業から創造力を奪い取っており、最後には真の国際競争力を失うことになるだろうと述べています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/10/21/a1347617.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)