【新唐人2017年10月26日】
今回の中国共産党大会期間中、様々な爆弾発言がありました。例えば、間もなく引退する中国人民銀行総裁の周小川(しゅう しょうせん)氏は、中国経済は「ミンスキー・モーメント」に直面するだろうと警告しました。また、中国証券監督管理委員会の劉士余(りゅう しよ)主席は、薄熙来(はく きらい)や孫政才(そん せいさい)らが「党乗っ取り計画」を企てていると述べました。
中国人民銀行総裁の周小川氏は19日、金融システム代表団の記者会見で、ハイパーインフレーション、バブル崩壊、金融機関が抱える数々のリスクの防止に言及し、経済成長時に楽観的すぎたために様々な問題が累積されたとし、いつか必ず発生する「ミンスキー・モーメント」に備えなければならないと発言しました。
「ミンスキー・モーメント」とはアメリカの経済学者、ハイマン・ミンスキーが名づけた経済用語で、経済の中に隠れていたリスクが突然爆発し、資産価値が暴落し大混乱を引き起こすことを指します。
中国金融シンクタンク研究員の鞏勝利(きょうしょうり)氏は、周総裁が引退を前に本音を吐露したものと分析しています。
中国経済は過去40年近くに亘って突き進んできましたが、それは人民元発行によって可能でした。
中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利氏:「人民元の発行量は世界最大です。2007年以前には40兆元位だった発行量は、今年の9月末には168兆元を突破しました。周総裁が『ミンスキー・モーメント』と発言したのは、人民元の乱発によるリスクを憂慮しているからです。ですが、発行を止めれば、中国経済は力を失うでしょう。」
今年の8月と10月、国際通貨基金(IMF)が立て続けに、中国のローンに過度に依頼した経済政策が巨額の債権を生み、金融リスク発生の危険なレベルにまで達したと警告しました。
金融アナリストの任中道(にん ちゅうどう)氏は、周総裁の発言を受けて、既得権益層はすぐさま手を打つだろうと分析します。
金融アナリスト 任中道氏:「『ミンスキー・モーメント』とは、長期の経済発展過程で資産価値が高騰し、多くの投機的行為が発生することです。そこにうまい汁があれば、既得権益層が群がり、利益を貪るのです。」
9月末にも政治による市場の安定の保護を訴えていた中国証券監督管理委員会の劉士余主席も10月19日、薄熙来、周永康、令計画、徐才厚(じょさいこう)、郭伯雄(かく はくゆう)、孫政才らが党乗っ取り計画を企てていると発言しました。
任氏は、この発言は中央規律検査委員会の意を受けたもので、意味深であるといいます。
金融アナリスト 任中道氏:「ここ数年で資本市場に現れた最大の問題は株暴落です。株が暴落し、投資家は大損をしましたが、この問題を引き起こした最後の黒幕はまだしょっぴかれていません。幾人かの大臣級の高官が逮捕されましたが、まだそれでは終わっていません。」
中国証券監督管理委員会と中国中央銀行のトップが同日に爆弾発言を行ったのは、党大会閉幕後、金融問題でさらなる粛正が始まることを暗示していると、評論家は分析しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com.tw/b5/20171024/video/208004.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)