【新唐人2017年12月28日】
チベット自治区とウイグル自治区での教育統制を強化するため、中国教育部は両自治区に一万人の教師を派遣する計画を打ち出しました。2018年は両自治区と新疆生産建設兵団に4000人の教師を派遣する計画です。
中国教育部は12月25日、教育部会同国家発展改革委員会、財政部、人力資源社会保障部が合同で「チベット・新疆へ教師一万人を派遣する教育支援計画実施プログラム」を発表し、毎年内陸部の学校から両自治区へ教師を派遣し、現地の教師の訓練に当たらせる計画を打ち出しました。
当局が教育という手段を通して、チベット、ウイグル両自治区への統制を強化しようとしていることに懸念の声が上がっています。
元首都師範大学副教授 李元華氏:「政府は少数民族や特殊な信仰を持つ人々や遠隔地に対して、自分たちの統治が行き届いていないと感じています。だから、教育という手段を使って、社会の基盤から少しずつ浸透し、統制しようと考えています。」
世界ウイグル会議中国事務委員会主任のイリシャト・コクボレ氏は、一つの民族を滅ぼすにはまずその文化を滅ぼすこと、文化を滅ぼすには民族の言語を滅ぼすことが有力な手段だと指摘しています。
世界ウイグル会議中国事務委員会主任 イリシャト・コクボレ氏:「中国政府はチベット人やウイグル人の地域の学校から、民族の言語を追い出しています。言語を失えば文化が発展してゆくことはできず、委縮し、最後には漢民族に同化されてしまう。文化という手段で民族を滅ぼそうとしているのです。」
報道によると、派遣する教師は政治的な信用や教育者としての資質が高いこと、政府の民族・宗教政策を実施する固い決意があること、さらには祖国統一と民族団結を守ること、などの「資質」が求められています。
元首都師範大学副教授 李元華氏:「政府が言う教育者としての資質とは、我々が言うものとは異なります。重視されるのは、政府の言うなりになることです。もし自分の信仰を貫いて、政府の言う通りにしなかったら、分裂行為だとして、国家統一に対する脅威だと見做されるでしょう。」
プログラムの実施を通して、チベット、ウイグル両自治区の基礎教育の質を高め、「愛党愛国の社会主義事業建設者と信頼できる後継者」を養成できると報じられています。
また、教師の派遣期間は約1年半で、両自治区の部署が共同で管理するとされています。給料待遇や昇進審査などに関しては、チベット、ウイグル両自治区支援幹部と同等の待遇です。
世界ウイグル会議中国事務委員会主任 イリシャト・コクボレ氏:「共産党はウイグル人についてプロパガンダを流しており、多くの中国人はウイグルで常に爆発事件が起きていると思っています。情報統制によりデマが横行し、ウイグル人は漢民族を見れば切りつけると思い込むような、東トルキスタンに対する恐怖が蔓延しているので、高い給料や無料の宿舎などの好待遇で教師を引き付けようとしています。」
イリシャト氏は、好待遇につられ、多くの漢民族がウイグルへ行くだろうと考えています。共産党の少数民族政策は大量移民によって、現地のウイグル人を少数に転じさせ、統制を進めることです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/12/27/a1356610.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)