【新唐人日本2011年10月2日付ニュース】中国のレアアース産出量は世界の97%を占めます。EUは中国への依存度を下げるため、レアアースをストックし始めました。一方、中国江西省では、地元当局の容認の下、レアアースの不法採掘が横行し、業者は暴利を貪っています。無謀な採掘は地元に深刻な環境破壊をもたらしています。
香港の”東方日報“によると、今年上半期、以前は経済が遅れていた贛州に、100人の億万長者が誕生。千万長者は数え切れないほどで、町中に高級車が走り回っているそうです。
今年初めにレアアース商売を始めた張さんは、すでに一億元以上儲かったそうです。周りの友人がみな車を乗り変えたので、自分もBMWの購入を考えているそうです。
四川環境保護活動家 陳雲飛さん:「これらの億万長者の出現は役人にも億万長者がるということ。ただ表ざたになっていないだけです。彼らは妻や子女を海外に送るか、又は 資産を海外に移します。裏に間違いなく“官商癒着”があり、採掘者は役人の代弁者です」
用途の広いレアアースは、冶金、機械、化学工業、陶磁器、皮革などに使われます。鋼鉄や非鉄金属の中に少し入れるだけで、金属の性能が改善できます。
贛州ではレアアース1トン当たり40万元だそうです。10トントラック一台分で400万元になります。情報によると、多くの政府役人がレアアース鉱山の株を所有し、毎年の配当は巨額に上るそうです。
江西省地質鉱山部門 林さん:「利益に駆られて、レアアースの価格も上昇している。レアアースの埋蔵面積も広く、採掘が非常に簡単です。やはり利益です」
また、採掘および精錬が民間方法で行われているため、周辺環境を深刻に破壊しているそうです。地元の農民が当局に訴えても、なしのつぶて。深刻な汚染で農作業ができないため、多くの農民がやむを得ず出稼ぎに出ているそうです。
無謀な採掘がもたらした被害は計り知れないと、環境保護活動家は指摘します。
四川環境保護活動家 陳雲飛さん:「数代の人の利益を犠牲にしています。先ずは環境保護 環境の利益、もう一つは富の利益。全てのプロジェクトが合法でなく、つまり専門家の論証がないのです。例えば 専門的に論証してから、長期的な計画を立て、毎年の採掘量を決めるべきです。目先の利益しか見ていないのです」
贛州の龍南県の環境破壊は特に深刻だそうです。山は枯れ、至る所が茶色に染まり、混濁した河川は悪臭を放っています。灌漑や飲み水には使えないので、雨水を貯めるしかないそうです。酸性水に汚染された農地は、耕作をあきらめるしかありません。
江西省環境保護職員:「これはアンモニア窒素の基準値オーバーです。生態環境は間違いなく破壊され、地下水も影響を受けます」
贛州非鉄金属冶金研究所の楊副所長は、レアアース問題の早急な解決を呼びかけます。
新唐人テレビがお伝えしました。