【新唐人日本2011年12月7日付ニュース】京都大学の山中伸弥(やまなか しんや)教授が世界で初めて作り出したiPS細胞。体を構成する全ての組織や臓器に分化誘導することが可能で、再生医療の実現に向けて、世界中の注目が集まっています。
11月19日、文部科学省主催の第3回合同シンポジウム「再生医学研究の最前線」が、国立京都国際会館で開催され、2200人が参加しました。
再生医療に必要な胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう)―ES細胞。これまでは、人間の卵子や動物の胚(はい)を利用して作る方法しかなく、女性から卵子を取り出すのは危険なため、倫理問題が問われ、研究が進みませんでした。一方、iPS細胞は大人の皮膚から作られるため、危険性や倫理的な問題などを回避でき、論争に関りなく研究を進めることができます。
山中教授の研究グループは2006年、線維芽(せんいが)細胞に4因子を導入し、人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう)を作り出すことに成功し、iPS細胞と命名。ES細胞に類似したiPS細胞は多くの細胞に分化でき、難病治療の臨床応用が期待されています。
網膜再生医療研究チームリーダー 高橋政代さん
「網膜の病気も色々ありますけど、網膜の一部の細胞だけ悪くなる場合、iPS細胞から悪くなった細胞を作って、但し 最初に人にやるということで、1例 2例ですけれど、3年以内ぐらいに網膜色素上皮は移植に使いたいですね」
肝臓移植患者
「できるだけ自分の力で治せる再生医療が待ち遠しいというか、それで来たのですが」
iPS細胞の登場は、難治性疾患などを治療する薬剤や治療法の開発に新たな道を切り開き、細胞移植治療などの再生医療にも活用できると考えられ、世界中で研究が進展しています。
新唐人テレビがお伝えしました。