【新唐人日本2011年12月22日付ニュース】12月16日、フランスのシラク前大統領が公金横領などの罪で、パリの裁判所から禁固2年の執行猶予付き有罪判決を言い渡されました。フランスの国家元首経験者が有罪判決を受けたのは、第2次世界大戦以来です。
パリ市長を務めていた1990年代、シラク前大統領は架空の職員に給与を支払ったとして公金を横領。79歳の高齢になっても、法の裁きから逃れることができず、有罪判決を言い渡されました。
時事評論家の伍凡氏は、この裁判はフランスの官僚にだけでなく、汚職が横行している中国当局にも警鐘を鳴らしたと述べます。
時事評論家 伍凡氏
「フランスは20年後に元首を裁きました。中国も同じく、共産党の崩壊後は法律システムを立ち上げ、全ての汚職官僚をどこに行っても追求し、判決を下します。共産党の官僚に知らしめます。今は悪事ができても、逃げられません。きっといつか、法で裁かれます。審判を行い、庶民に答えます」
歴史を塗り替え、数え切れない人を殺した中国の前国家主席・江沢民。中国最大の汚職官僚でもあります。メディアの報道によると、江沢民はスイス銀行に３億５千万ドルの秘密口座を持っているだけでなく、２００２年１２月９日には３０億ドルの資金をカリブ海の中国系銀行に移転。
一方、毛沢東・前国家主席は大飢饉の６０年代、１億２千万元の巨額を投じて、豪華な別荘を建てました。建築面積3，600平方メートルを誇るこの別荘は１９６０年に着工し１９６２年に完成。同じ時期、中国各地ではおよそ４千万人が餓死。毛沢東の罪は未だに裁かれていません。
作家の荆楚さんは、正義の裁判ができるのは民主国家だけだと述べます。
中国の作家 荆楚さん
「これが民主制度の良いところです。国家の指導者でも、犯した罪はずっと追及されます。フランスの予防措置は有効である事を証明しました。過去のことであっても、一旦 発覚すると、執行されます。永遠に追及するのです。これは社会の公正を現し、犯罪への懲罰であり、社会の自信のあらわれです」
シラク氏は1977年から1995年まで連続18年間パリ市長を務め、その後2009年までは2期連続フランス大統領に就任。その前には2回、首相を務めました。
中国の作家 荆楚さん
「長く執政者の座に就くと、社会から離脱し、自分の成果や社会に対する認識が朦朧になります。権力が抑制されないと、国民には選挙で彼を退陣させる権利はありません。彼は憚る事が無くなります。共産党は数十年の執政で、世界で最も腐敗堕落した。最も残虐な政党になりました」
裁判官によると、シラク前大統領横領した金額はおよそ140万ユーロだそうです。
フランスの国家元首経験者が有罪判決を受けるのは、ナチスドイツへの協力で死刑判決を受けたヴィシー政権のペタン元帥以来です。ペタン元帥は1945年に逮捕され、翌年死刑判決を受けましたが、高齢を理由に無期禁固刑に減刑されました。
新唐人テレビがお伝えしました。
