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2012年 中国経済はどこへ

2011年12月28日


【新唐人日本2011年12月29日付ニュース】2011年、深刻なインフレと経済の過熱への対策として、中国当局は金融引き締め策を打ち出し、加熱する経済に歯止めをかけました。一方、欧米経済の低迷は、中国の輸出に大きな打撃を与えました。では、ジレンマを抱える中国経済は2012年、どこへ向うのでしょうか。ソフトランディングは果たして可能でしょうか。

輸出の萎縮、原材料などの値上がりが原因で、中小企業の倒産が相次いでいます。生き残った企業でも、ローンの返済、人件費や諸々の支払いなどで、苦境に陥っています。

ボイス・オブ・アメリカは、借り入れ困難と生産コストの増加は中国の中小企業に大きな打撃を与え、新年を越せない企業も出てくるだろうと指摘しました。

外需の大幅な減少に苦しむ輸出企業のほか、中国経済の内需を支えてきた不動産市場も不況に陥っています。

イギリスの“フィナンシャルタイムズ”は、中国の不動産の値崩れは大都会から、すでに中型都市へと蔓延。内モンゴルのオルドス市では5割から7割まで値崩れし、町はゴーストタウン化していると報道。

中国経済のこのような現状から、2012年、ソフトランディングの実現は可能なのでしょうか。

米サウスカロライナ大学 謝田教授
「多くの国内外の経済学者は中国経済はハードランディングし、経済も破綻すると見ています。ソフトランディングには幾つか要素が必要で、先ず 適度な経済成長を保つ。次は インフレは制御可能な範囲。しかし この2点とも困難です」

中国当局は最近の経済工作会議で、2012年の目標を“成長率を保つ”ことに決定。これは失業率を下げ、政権の安定を保つためだと指摘します。

米サウスカロライナ大学 謝田教授
「経済成長を維持するためには経済を刺激するための投入、インフラ建設への投入を増やす必要があり、数兆元が投入されるでしょう。そうなると多分 インフレ防止の目標は達成できないでしょう」

また、インフレにより庶民の不満が高まるだけでなく、購買力も低下し、内需の不振を招くと強調。その上、欧米経済の回復も見込まれない中、中国の輸出の現状も改善は難しく、中国経済はスタグフレーションに陥り、ソフトランディングは難しいと指摘します。

一方、北京天則経済研究所の副所長は、当局は中国経済を支えてきた不動産市場を崩壊させないだろうとう予測。輸出が萎縮してもソフトランディングは可能だと言います。

北京天則経済研究所 馮興元副所長
「不動産の需要はまだ高いので、貸付が緩和されると不動産投資はまだまだ大きな余裕があります」

ノーベル経済学賞受賞の、ポール・クルーグマン(Paul Krugman)氏は、80年代末の日本や2007年のアメリカ同様、今の中国も非常に危険な状況に置かれていると指摘。例えば、貸付利率の上昇、不動産市場への過度な依頼、それによって現われたバブル現象などです。また、中国は世界経済において危険なポイントになりつつあると指摘しています。

新唐人テレビがお伝えしました。

www.ntdtv.com/xtr/gb/2011/12/27/a637670.html  (中国語)


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