【新唐人日本2012年1月18日付ニュース】
司会者 安妮
「みなさん、こんにちは。「禁聞論壇」へようこそ。中共当局はずっと人民元レートは中国内部の事で、 他国は誰も口出しできないと言っています。米国が中国を為替レート操縦国へリストアップを考慮すると、一向に強硬だった中共は、民元切り上げの道を開きました。草庵居士さん、最近5年で、人民元はすでに3割上昇しました」
評論家 草庵居士
「最近、少し変化が現われました。人民元が突然下落しました。各国は人民元は価値がなくなったと判断しています。しかも、中国経済はまもなく崩壊すると見ています。各国の企業や個人は人民元を売り、ドル買いに走っています」
司会者 安妮
「私もこの現象を目にしました。多くの人が疑問を持っていますが、これまで中国政府は受動的に人民元を切り上げてきました。下落は中共の思うつぼのはずなのに、なぜまた逆の行動に出るのでしょうか」
評論家 草庵居士
「目下の各国の状況から見て、世界経済が危機に陥っている中、この危機救済の唯一の方法は自国の通貨を切り下げる事です。為替レートを切り下げてこそ、自国の経済を刺激し、同時に輸出が増え、自国の債務を減らす事ができます。欧州も米国もこの策略です。本来ならば、世界経済危機の中、中国もこの道を歩むべきです。中国もこの前まで、
「人民元の切り上げを求められているが、人民元は断固として切り上げない、逆に切り下げる」と言っていました。一方、中国経済は輸出依存型経済なので、人民元を切り下げてこそ、経済を刺激し、輸出を増やし、外貨収入を増やし、雇用を増やす事ができます。
司会者 安妮
それでは、中共はなぜ人民元が下落した時に市場介入し、人民元の切り上げを迫るのでしょうか、言えない理由でもあるのでしょうか」
評論家 草庵居士
「中国政府には、確かに人に言えない理由があります。中国政府が恐れているのは、庶民が人民元に自信をなくし、大量にドル買いに走る事です。中国の為替制度は特殊で、政府が操縦しています。例えば、1ドル=6.4元に両替できます。相応の広義の貨幣M2の時は、1ドル=24元に両替できます。庶民は人民元の下落を予測すると、ドルに替えて貨幣価値を保とうとします。でないと、損をするからです。もし1億人の中国人が1万元をドルに替えると、1兆ドルが出て行きます。中央銀行の場合は簡単です。米国国債を売り、両替できるからです。しかし、中国の商業銀行の場合、24兆ドルの広義の貨幣M2となると、対処できなくなります。24兆ドルも減らす事ができないからです。この24兆ドルは何なのでしょうか、鉄道への投資や国債、国営企業への投資など、回収できない投資ばかりです。もし庶民にこの問題が起きると、商業銀行は倒産してしまいます。中国経済のバブルがはじけます。こうなると、中国政府も耐えられなくなります。政府がこの問題を解決するには、二つの方法しかありません。一つは、通貨を発行し続ける。しかし、これはインフレを招きます。もう一つは、外貨の統制。もし短期的に外貨統制を行うと、人民元の下落への予測を増大させ、輸出や各方面で問題が生じます。だからこの二つの方法は、どちらに転んでも中国の「経済神話」を打ち破る事になります。なので、政府の最良の解決策は、ドルを投げ売りすることで下落させ、人民元を上昇させるのです。しかし、人民元が上がると、輸出企業に損失が出るのは知っています。どうしましょう。外貨準備高は3兆ドルあるので、輸出企業に補助金を出せば 維持できます。3000億ドルの貿易黒字を維持さえできれば、中国政府は米国に保護貿易を実施しないよう求め、毎年3000億ドルの貿易黒字を維持できるのです。そうなると輸出企業に補助金を出して損失があっても、バブル中国の経済神話を維持し続ける事ができるのです」
司会者 安妮
「切り上げ予測の維持は銀行を守るためだとすると、下落予測が現われると銀行は破綻する。中共政府はこの結果は許さないでしょう」
評論家 草庵居士
「確かにそうです。この問題のポイントは、中国政府は決して人民元の下落予測の出現を許さない事です。一旦この現象が現われ、庶民が預金を引き出すと、商業銀行は破綻します。商業銀行自体空っぽで、大部分は赤字だからです。庶民に渡す金はないのです。しかも ご存知のように、中国政府は鉄道工業や、地方債権に投資しています。地方政府は利息さえ払えません。一旦 この状況が発生すると、中国経済と政治は破綻します。このような状況下、政府は損をしてでも先延ばしにすることで、余命をつなぐのです」
司会者 安妮
「大学受験前、先生は生徒に注意を促します。「人民元レートは国内外のホットな話題なので、真剣に考えてください」と。ある生徒が質問しました。「政府はなぜ為替レートを操作しないといけないのか」と、先生も答えられません。一方 専門家はこう言います、「中共は人民元レート戦の最後の失敗者であり、損失の引き受け者は民衆なのだ」」
「今日の番組はここまで、また次回お会いしましょう」「さようなら」