【新唐人日本2012年3月30日付ニュース】温家宝首相は今年の全人代の記者会見で、“中国では経済発展とともに分配の不公平、信用の欠如、汚職腐敗などの問題も現れた”と述べました。“改革”という言葉も、メディアに頻繁に登場するようになりました。一方、専門家は、中国共産党当局が市場への介入を続ける場合、腐敗は更に深刻化し、経済と社会の矛盾は臨界点に達するだろうと指摘します。
財経コラムニスト・廖仕明さんは、いかなる経済体であっても三つのエンジンがあると述べます。先ずは、輸出。次は、内需。三つ目は政府の公共投資です。中国は輸出主導の経済で、対外輸出が経済成長のほとんどを占めます。2008年の金融危機以来、国際社会の中国市場に対する需要が減少し、中国当局は近年、内需の増加を強調し始めています。
財経コラムニスト 廖仕明さん
「貨幣の発行量が厖大になると、おのずとインフレを招きます。2010年から2011年、2012年の現在まで、中国社会の経済を見ると、最も表面的な現象は、全てが値上がりしています」
経済の減速、物価の上昇および不安定な国際市場。このような背景の下、中国の高いインフレと引き換えに、事実上は庶民の富が縮小しているのです。
経済学者 簡天倫博士
「中国経済は改革以来、共産党が倒れない前提条件の下で行ったいかなる改革-二重制、農業から工業への転換、輸出、投資、株式上場、不動産など、全てにおいて一部の人が先に豊かになりました。誰が豊になったのでしょうか。共産党の幹部やその子孫が豊になったのです。例えば、輸出は為替レートを過小評価して輸出するので、80年代より、共産党幹部の息子や孫はみな輸出部門に行き、大金を儲けました」
廖さんは、今の中国は縁故資本主義、つまり権力と金を持つ人たちが一つの利益共同体を結成していると述べます。中国の政治体制は、法律、行政、投資、具体的な措置などのいずれにおいても、このグループの人に有利になっており、一般庶民には不利だと指摘します。
財経コラムニスト 廖仕明さん
「今の中国では、普通の庶民は消費が減少しています。原因は所得の分配不均衡にあります。つまり、非常に裕福な人と、非常に貧しい人がいるのです。中国のGDP成長は著しく、8%~9% 更には10%のように見えても、しかし、成長した大部分は金持ちの「権貴階級」に独占され、彼らは投資を増やし外国にも持って行き、外国のぜいたく品を買います。更には外国で家を買う。或いは不動産投資をします。しかし、一介の庶民にとっては、所得もほとんど増えず、彼らの消費は経済発展に追いつけません」
簡さんは、中国が一党独裁を続けるかぎり、いかなる改革であっても貧富の差はますます広がると指摘します。権力が一種の財産となっているため、改革をするならば、政府の腐敗から着手してこそ、権力の財産化を防げるといいます。
経済学者 簡天倫博士
「今回の王立軍・薄煕来事件から彼らの利益集団の間で矛盾が生じ、結局犬の噛み合いになっています。このような状況の下、隠したくても隠せません。改革しないと、庶民が立ち上がってこの政府をひっくり返すのを待つしかありません。なので、胡・温は頭脳が明晰であれば、共産党体制を即放棄すべきです」
あるネットユーザーは疑問を投げかけます。“軍隊が党の道具になり、刑事訴訟法第73条も通過した。弁護士になるにも共産党擁護の宣誓をしないといけない。安定維持の名目で、実弾で武装した軍隊や警官が道行く人を調べる。これが改革を進めた結果なのか?こんなものでも改革と呼べるのか?このような改革は支持と期待に値するのか?”
新唐人テレビがお伝えしました。
www.ntdtv.com/xtr/gb/2012/03/28/a678847.html.(中国語)