【新唐人2010年5月3日付ニュース】巨額の投資、派手なメディア宣伝と華麗なパビリオンで世界の注目を浴びる上海万博。一方で、万博で運命が変わってしまった「万博難民」が大勢います。彼らと似たような境遇のほかの人々も、続々と上海に集結。万博会場で何をしようとしているのでしょうか。
「中国冤民大同盟」の瀋婷(しんてい)代表は、「多くの上海市民の住まいが万博建設のために強制撤去された。彼らにとって万博は災難である」と言います。
中国冤民大同盟の代表 瀋婷
「2002年中国は『さらに素晴らしい都市生活を』と開催権を騙し取りました。準備期間中、大規模な強制立ち退きを行い、大量の万博難民を生みました。華やかな万博の裏側になぜ難民の血と涙があるのでしょう」
共産党は膨大な人とお金を投じて、万博の開幕前から陳情者を弾圧。ある陳情者によると、少なくとも500名の陳情者が監視されています。
上海の陳情者
「万博に4千億元投じても、庶民の問題は解決せず、世界を騙しています。リストラされた人は一日百元もらい我々を監視します。食費も支給されます」
4月29日から、万博会場で自分たちの境遇を訴えようと、中国各地から千名以上の陳情者が上海へと出発。30日の夜8時ごろ、吉林省の陳情者・馬永田(ば えいでん)さん一行は、上海救助管理所に拘禁されました。電話取材によると、彼らは恐らく労働教養所に送られているとみられ、ハンスト者も出ているようです。
吉林省の陳情者 馬永田
「5時10分に上海に到着。到着前から警察は身分証を調べ、切符を調べました。下車時は列車が警察に包囲され、下りる時も数十人の警察がいて、私たちが下りると、警察に囲まれました」
遼寧省丹東の陳情者 宋玉潔
「私を殴った警官は034008。私を無理やり車に乗せ、私が抵抗すると、4~5人の警察が襲ってきて、私は腕を骨折しました」
また、大陸に1億元以上投資した、欧米や香港などの実業家10数名も、29日列車で上海に到着。自らの資産が当局に不法に奪われたことを、万博会場で抗議するためです。そのうち92歳の実業家は、列車で国家安全部に尾行され、下車後すぐ私服警官に取り囲まれ、今はホテルに軟禁状態です。
これについて香港の実業家、陸偉萍(りく いへい)氏(訳注、香港商人内陸投資権益関心組の代表)は「万博の華やかな一面は、多くの庶民の命と血と引き換えだ」と言います。
香港商人内陸投資権益関心組代表 陸偉萍
「香港実業家の立場から、まず負の一面を暴きましょう。中国の建設のため、一生ためたお金を投資しました。それがこんな始末です。全く言葉になりません。全ての中国人、良識ある人が皆立ち上がり、この闇を明かしてほしいです」
「今回の抗議は人権を守るためだけではなく、世界に本当の中国を見てもらうためだ」と、陸さんは強調します。
新唐人記者がお送りしました。