【新唐人記者2010年5月10日付ニュース】上海万博が開幕して一週間。しかし入場者数は予想をはるかに下回ります。これは温家宝首相の態度、つまり全国の政府・企業・公的機関などが公費で上海万博を見学することに首相が賛成しないことと関係があると見られます。
浙江省の夕刊紙(訳注、『銭江晩報』)によると、万博開幕一週間で一番の変化は入場者の減少。開幕前、万博事務局は「開催期間中の入場者は合わせて7000万に達する」と予想しました。しかし5月8日の13万6000人から推計すると、延べ1800万人にしかなりません。
『北京晩報』によれば、5日は小雨の影響もあり、入場者数は8万5564人。また香港紙『文匯報』の報道では、暑さが続いたためか、3日午後4時までに、当日の入場者数は13万人にとどまりました。
これは天候の影響もあるでしょうが、主な原因は温家宝首相の態度でしょう。首相は、全国の政府・企業・公共機関が公費で上海訪問をし、万博を見学することに賛成していないのです。
公費での万博見学に対し、首相が反対の意見を示してから、ある変化が起こりました。メーデー休暇中に公費で見学する予定だった地方の政府機関や企業から、次々とキャンセルが出たのです。
5月4日までに、上海万博のチケット販売センターは、「売れ行きは順調で、予想入場者は4000万人を超える」と発表しました。当局のデータによると、メーデー休暇中は前売り券のみ発売、一日あたり35万枚売り出されました。しかし、前売り券購入者の内、半分は来場しませんでした。
上海万博の事務局員は次のように述べたそうです。「国務院がこの意見をもう少し早く出していれば、こんな事態にならなかった。チケットを求める人が多い中、開幕一ヶ月のチケットの45%は政府機関が予約していた。でも、彼らは来ない。大損失だ」
こんなうわさも飛び交います。「これは『上海』の万博だからと、上海政府は中央の指示に難色を示してきた。このような上海政府の姿勢を首相は何度も批判した。今回の万博の開幕式には、江沢民と朱鎔基が出席する予定だったが、首相の態度は違った」
温首相自身も開幕式には欠席。この理由について諸説流れています。首相の健康不安説のほか、胡錦濤総書記がバランスを考慮したという説。すなわち江沢民や、その江沢民と折り合わない温家宝首相を出席させない。また、上海万博の無駄使いをけん制する首相は、かわりに青海大地震の被災地へ視察に行った、などの説もあります。
評論家の千載雲さんは、首相の欠席理由について、「邪悪」との協力を拒んだのだと分析します。
同氏の分析では、「温首相の今回の被災地視察は、一部指導者の不満を招いた。この視察は中央宣伝部の『悪いことは報道せず、民衆の視線をそらす』というやり方と逆行するから。しかもネットでは賞賛と歓呼の嵐。ある当局者は「首相は我々よりネットユーザーを選んだ」と怒っている」
しかし「これは当局の演出に過ぎない」との声もあります。ネットでの怒りを鎮めるという思惑があるからです。
新唐人記者がお送りしました。