【新唐人2012年9月22日付ニュース】9月20日、中国の温家宝首相は欧州連合(EU)との首脳会議で、対中武器禁輸の解除と中国を“市場経済国”として承認するよう求めました。しかし、温首相の発言は中国側によって中断されました。
温家宝首相は中国とEUの首脳会議の冒頭の挨拶の中で、この二つの問題がずっと解決されないことに遺憾を示しました。
温家宝首相
「正直に言うと、対中武器禁輸の解禁と中国の完全な『市場経済』地位、この二つの問題、私は10年間努力しましたが、解決されませんでした。大変遺憾に思います」
このあと、テレビ画面は突然外部の様子に切り替わり、温首相の声もなくなりました。
中国問題専門家・史東さんは、この二つの問題は中国側の問題であることを温首相ははっきり知っていると話します。
中国問題専門家 史東さん
「温家宝のこの言い方は非常に芸術的です。隠された意味があります。中国の政治制度の問題や市場経済の問題から、中国と西側国家、特にはEUとの根本的な違いがわかります。しかも温家宝もこの話をするとき、自信たっぷりではありません。多くの問題は温家宝個人の品格にかかわらず、彼には答えられないからです」
アメリカサウスカロライナ大学 謝田教授
「中共はずっと政治を利用して、経済に干渉しているので、市場経済ではありません。中国は実際は官僚の既得権益集団の縁故経済なのです」
AP通信によると、中国代表団が温首相の挨拶がEUとの交渉の“具体的なプライベートな”内容になってきたと判断したため、EUに中断を求めたそうです。
アメリカサウスカロライナ大学 謝田教授
「このことでわかるのは中共体制内では、如何なる人でも自分の独立した思想や見解を持ってはなりません。首相も同じです。我々も目にしたようにこの体制と暴力機器の力が、このような国際会議の場でも作用を働いているのです」
EUは1989年の天安門事件を受けて中国に対し武器禁輸を実施しています。禁輸解除をめぐるEU内の賛否は分かれていますが、反対国は北京に対して人権の改善を求めています。また、禁輸解除した場合、中国の新たな武器開発に有利になるのを懸念しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/坂本 ナレーター/佐藤(マ) 映像編集/工)