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中共十八大宣伝に利用された米国人記者

2012年11月13日

 【新唐人2012年11月14日付ニュース】北京で開かれている共産党第18回全国代表大会の取材に訪れたアメリカの記者が、共産党メディアの取材対象にさせられ、舞台に押し出されました。京劇の衣装を着せられたこの女性記者は十八大プレスセンターの重点報道の対象になりました。この記者は後に自身のブログで、無理に舞台に押し出された経過を述べ、憤慨を示しました。

 
十八大の開催前、中国共産党中央宣伝部は外国人記者を招いて北京と周辺地区の文化を参観し、メディアで“外国記者が近距離で中国の発展と変化を体験した”などと、大々的に報じました。その中でも、アメリカ・ロサンゼルスタイムズのジュリエ・マキネン(Julie Makinen)記者が京劇の舞台衣装を着ている写真にスポットライトが当てられました。マキネン記者は自身のブログで、いかにして中国共産党の宣伝材料にさせられたのか、その過程を綴りました。
 
マキネン記者によると、十八大開催直前の週末、世界各地から集まった外国記者たちが勝手にニュースを発掘するのを防ぐため、中央宣伝部は記者たちを北京市周辺と河北省の参観に招きました。しかしそのときはまだ、自分が共産党メディアの取材対象になるとは夢にも思わなかったといいます。
 
段取りされた各取材地点で、中央テレビ、中国新聞社、国際ラジオ局などの中国人記者らは外国記者に取材攻勢を行ったそうです。自分たちが取材の対象になっていることに気づいた外国記者たちが取材から逃げようとしても、もうまな板の上の鯉です。
 
マキネン記者によると、河北省覇州(はしゅう)の李少春大劇院を訪れたとき、外国記者たちはまず合唱“共産党がないと新中国がない”を聞かされ、その後京劇の観劇が段取りされていたそうです。一部記者が舞台に上がるよう求められ、マキネン記者が三回拒んだにもかかわらず、結局舞台に押し出されたといいます。京劇の衣装を着せられ舞台に立った瞬間、興奮した中国人記者らがしきりにシャッターを切ります。彼らは欲しい宣伝材料を手に入れたのです。
 
北京の公認会計士・杜延林(と えんりん)さんは、共産党は自分の宣伝のためなら手段を選ばないと示します。
 
北京の公認会計士 杜延林さん
「このような滑稽なことが中国では珍しくありません。彼らは宣伝または面子のためなら、常軌を逸することでも、人道に反することでも何でもできます。私が驚いたのは外国人に対しても、彼らはこのような方法を使っているのです。宣伝の目的に達するために手段を選ばず、結果も顧みないのです」
 
マキネン記者には中国人記者の目的がはっきりわかっていたといいます。中国人記者にとって、アメリカ人記者が京劇の衣装を着て民間と親しんでいる写真は、共産党十八大への最大の贈り物なのです。
 
マキネン記者は、“中央テレビのマイクが自分に向けられたとき、無意識的にマイクを避けようとして、わざともぐもぐとしゃべり、取材映像が使いものにならないようにしようとした”そうです。十八大のどの問題に最も関心を持っているかの質問に対し、遠慮なく“チベット、腐敗、薄熙来、温家宝家族の財産問題”と答えたとき、中国人記者は泣きそうな顔になっていたそうです。
杜さんは、共産党メディアの目的は外国人を利用して、臭いものに蓋をすることだと切り捨てます。
 
北京の公認会計士 杜延林さん
「多くの御用文人や当局は我々の一部民主活動家を西洋に媚びているとよく非難しますが、この言葉は彼らにもぴったりです。なぜなら彼らは外国に向け、中国を宣伝するとき中国人が言うだけでは説得力がないと思い、外国人を見つけ出すのです。外国人を言葉の一部を引用し、中国の現状の臭い物に蓋をして、飾り付けをするのです」
 
翌日、マキネン記者の友人が、京劇の衣装をまとった彼女が掲載されたニュースのリンクを送ってくれました。それで自分が“十八大の白人宣伝道具”になったことを知ったそうです。
 
中国のネットユーザーは、中央テレビのニュースは十数年も見ていないが、いまだに自らを欺くこのようないわゆるニュースを作っているのかとあざけります。ある香港市民は、ニュースの世界では、中国は調和の取れた盛んだ時代である。しかし残念ながら試練には耐えられないと嘆きます。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
 
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)
 
 

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