【新唐人2012年12月3日付ニュース】中国当局はここ20~30年の間、経済発展のために環境や資源、特に水資源の破壊を代価にし、長い間、国内外の専門家の非難を浴びています。習近平と李克強の新指導部が就任後まず解決すべき問題は、中国の飲用水問題であるとの指摘もあります。中国の水問題の起死回生は果たして可能でしょうか。報道をご覧ください。
11月23日、米国ケーブルニュースネットワークCNNのウィークリーコラム“ハイメ・チャイナ(Jaime's China)“が、”習近平が行うべきことのひとつは、中国の飲用水問題の解決“であると指摘し、再度、中国の水資源問題の議論を引き起こしています。
コラムの作者ハイメ・フロークルス氏(Jaime A.FlorCruz)と専門家グループがこの話題について討論を展開。中国の水資源は極端な浪費と生態破壊の問題に直面しており、新しい指導者が早急に解決すべき問題の一つであると指摘しています。
中国ウォッチャーの戴晴さんは、過去30年間、中国の官僚も口先では環境保護を唱えていると指摘します。しかし、環境と資源保護には莫大な資金が必要で、GDPの増加や官僚の政治業績には繋がりません。実際、本当に環境保護を重視する人はおらず、そのうえ環境や資源の所属が不明確なため、先に手を付けた者、大きな権力を持つものが無償で使っていると示します。
中国ウォッチャー 戴晴さん
「中国の政治体制、経済体制および民衆が当局を監督する事ができないというこの体制が変わらないかぎり、最も被害を受けるのはいつも資源や環境です。だから多くの人が中国の政治改革、中国の未来に大きな期待を寄せていましたが、私はとても悲観的でした。たとえ十八大、十九大で新指導者が上がっても、中国の環境と資源はすでに維持が困難になっています」
CNNの報道は、中国の急速な経済成長は、環境が代価になっていると再度指摘しました。中国共産党の官僚も確かに水資源問題の解決法を探しています。たとえば今年4月、北京では“中国水資源管理制度建設高級円卓会議” が開催されました。しかし、地質水利専門家・範暁(はん ぎょう)さんの分析によると、中国の農業灌漑は冠水灌漑を主とするため、大量の水を消費しますが、大部分の農業生産地区の降水量は湿潤、または比較的湿潤の地区に属しているため、水不足ではないと述べます。
地質水利専門家 範暁さん
「我々の水資源の利用は手荒い方法が使われ、このやり方で灌漑面積を拡大してきたため、当然水資源が足りなくなりました。現在、中国の工業、農業、住民の生活用水の消費指標はいずれも非常に高く、世界の平均水準よりも高いのです。だから今の多くの水不足現象は人為的に招いた結果です」
さらに、ここ10数年間で中国の都市は急速に拡張されています。範さんは、多くの工業開発区では水とエネルギーを大量に消費する工業プロジェクトに着手しており、すでに経済の通常の発展を超えていると指摘します。
地質水利専門家 範暁さん
「環境と水資源には許容量があり、非現実的な発展には環境の犠牲が伴います。ごく少数の人が利益を得るかもしれませんが、大多数の人々は利益を得ることが出来ません」
報道によると、中国の国家発展改革委員会の杜鷹(と おう)副主任も自身の文章の中で、“中国は水資源が不足しており、用水効率も低い。依然として伝統的な「需要によって供給を決める」方法で供給と需要のバランスを図っているが、これは現実的でなく、経済の法則や科学的発展観の要求にも合わない“と述べています。
範さんは、中国の水資源問題の根本的な原因は、中国共産党官僚の思考の筋道と理念にあると指摘します。1949年以来、中国が水利プロジェクトに投入した財力と資金の規模はかつてないものでした。しかし、このプロジェクトは単に工学的手段を使用して水資源を移動させるもので、限りある水資源で自然に適合した秩序ある科学的モデルを発展させるのではないのです。中国の水資源はもはや、目先の利益のみを追求する共産党官僚の盲目的な発展需要を満足させることは出来ないのです。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)