【新唐人2012年12月18日付ニュース】12月11日、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは“中国の失業率と貧富の格差”(Charting Chinese Unemployment, Inequality)という記事の中で、ある最新の調査報告が中国経済に対する従来の見方を徹底的に覆したと述べています。報道をご覧ください。
中国の西南財経大学およびアメリカのテキサスA&M大学(テキサス・エー・アンド・エム大学)(Texas A&M University)で教授を務める甘犁さんが昨年8月と今年6月、中国の一般家庭8千戸に対し2度にわたる調査を行いました。この調査によると、今年の中国経済は成長が鈍化し、労働力市場への影響は人々の予想を大きく超えています。
甘教授の調査によると、今年6月の都市部の失業率は8.05%、昨年8月の8%をわずかに上回っています。しかし、この数字は国家統計局が発表した失業率4.1%の2倍です。
「六四天網」 蒲飛さん
「この4.1%は登録した失業者の数で計算しています。実際は計算できません。中国では明確な所得税の申告制度がないからです。失業率は毎月の正常な収入の有無で計算されるべきです。所得税の申告制度がなければ、計算するすべがないのです」
アメリカ・サウスカロライナ大学の謝田教授は、中国共産党当局は失業率をねつ造しているだけでなく、ほとんどの数字がでたらめだと指摘します。
米国経済学教授 謝田さん
「中共は失業率だけではなく、GDPもジニ係数もねつ造しています。見せかけの経済繁栄を作り出すためです。もし、経済が本当に繁栄しているのなら、失業率は高くないはずです。失業率が高ければ、繁栄していると言えないし、外資を欺き、誘致することもできません。だから、この数字は理論的に推理しても偽物なのです」
報道によると、甘教授は自ら研究を行う学生を都市や農村に派遣し、直接各家庭を訪問し失業率の調査を行い、当局のこれまでの公式統計の欠点を克服したといいます。
調査報告では、総人口のうち大卒層の失業率が最も低く、わずか3.6%と指摘しています。
米国経済学教授 謝田さん
「もし、社会の失業率がわずか4%ならば、大学生たちの就職は容易なことです。中共の言うように経済成長は10%で、失業率が4%ならば、経済成長は就職率を引っ張りますから、大学生の数が足りなくなるはずです」
甘教授の調査によると、中国のジニ係数は0.61%。すでに“社会騒乱多発”の警戒ラインである0.4をはるかに超えています。この他、中国で収入が最も多い20%の人が国民所得の68.4%をコントロールし、最も低い20%の人はわずか0.5%をコントロールしています。
さらに、2011年、中国の一般家庭の半数以上は収入が非常に低く、貯蓄がほとんどないそうです。一方、収入が最も高い10%の家庭は贅沢な生活をしながらも、多額の貯蓄をし、預金総額の74%を占めています。
米国経済学教授 謝田さん
「失業率が高く、経済が良くないことを知ると、人々は互いに励まし合い、中共政権に反抗する動力にもなります。このようなうわべの現象を作り出して、人に『他人は自分よりも良い生活をしている。自分だけがだめで、仕事を見つけられない』と感じさせるのです。民衆や国際社会を騙す一貫した手法です」
六四天網が第一線で収集したデータによると、中国の農村では土地収用による立退きで、およそ2千万人が失業しています。
「六四天網」 蒲飛さん
「この2千万人の失業者は間違いなく社会全体に不安をもたらします。失業率を下げたければ、失業者に生活できる制度を与えなければなりません。それではじめて失業率がある程度変化します。今の政策のままでは変化はありえません」
甘教授は、政府の主要任務は収入の再配分であり、さらに多くの可処分所得(Disposable Income)を一般家庭に与えるべきだと指摘しています。また、先日、中国共産党中央と国務院に提出された『社会の安定、調和状況に関する調査研究』では、社会の長期にわたる不平等分配、貧富格差の著しい両極分化に加え、官僚の汚職腐敗、官民対立の激化、警察と住民の衝突の頻発などにより、社会の深層に解決しがたい不安定要因が蓄積されていると言及しているようです。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/大口 映像編集/工)