【新唐人2010年6月19日付ニュース】人民元切り上げをめぐり、アメリカのガイトナー財務長官らが中国に圧力をかけ続けています。一方中国側は、「人民元問題が貿易不均衡の主な原因ではない」と反撃。この点を、有名な経済学者の何清漣さんに伺います。
今月末のG20では、人民元切り上げが焦点になると見られます。
先週、ガイトナー長官は公の場で、人民元切り上げを拒む中国を非難しました。
また、チャールズ・シュマー上院議員は先週、「中国など為替レートに問題のある国から懲罰的な関税をとる法案を推進する」と述べました。
これを受け中国は「アメリカは為替問題を利用して貿易保護主義に走っている」と反撃。
香港の新聞、『アップルデイリー』は、「為替問題が招いた貿易保護主義がエスカレートすると、世界経済の回復に打撃を与える」と指摘。
一方、有名な経済学者・何清漣さんはこう述べます。
「為替問題は米中間の長年の懸案です。米中経済対話の時、中国は『切り上げは出来るが、その時期や上げ幅は中国が決める』と言いました。米国は、これを呑みましたが…」
しかし、中国は切り上げを先延ばししています。これについて何さんは、「この時期、中国当局が人民元切り上げに動くはずはない」と見ます。これは、中国経済の現状が関係します。
米在住の経済学者 何清漣
「中国経済が今直面する圧力はまずモデルの転換。中国の『世界の工場』は終焉を迎えています。実力のある企業は高コストの沿海部を離れ、内陸や外国に移っています。実力のない企業はきっと倒産。つまり、切り上げは中国にとって大きな圧力です」
つまり、安い労働力という中国の売りはすでになくなっているのです。こんな中、人民元を切り上げれば輸出への打撃は避けられません。これらがポイントだと何さんはいいます。
米在住の経済学者 何清漣
「元が切り上がったら、原材料費が上がって、中国製のコストも上がります。原材料や地格、税金も上がれば、下請け企業は利益が出ません。今でも粗利益はわずか5%。切り上がれば、生き残れません。中国経済の柱、輸出も復活は無理です。さらにバブル、多くの問題が一気に来ます」
中国の経済学者 史剣道
一方、中国の経済学者史さんは、「人民元問題の解決の鍵は切り上げではなく、ドルから切り離すことである」といいます。つまり中国を含め、世界の国々がドルを使いすぎたため、ひずみが生じました。このひずみを除く鍵はドルから切り離すことなのです。
新唐人記者がお送りしました。