【新唐人2010年6月21日付ニュース】最近、中国で多発しているストライキ。これに対し、アメリカで最大の労働組合の代表は、「このストの調査をアメリカ政府に求めることを検討中だ」と述べました。
給料アップを求めるストライキは、現在中国各地へ飛び火し、さらに外資系から国内企業にまで広がっています。これについて、アメリカで最大の労働組合―「AFL-C10(テン)」の代表は、「中国人労働者の劣悪な待遇を物語る」と述べます。つまり、安い労働力こそ貿易不均衡を招く原因なので、この件の介入を考えたのです。
香港の新聞、『明報』はこの点に関して、「アメリカの労働組合が介入を考えたのは、安い中国の労働力がアメリカ人の仕事を奪っていると見たため」と指摘します。
しかし、社会問題に詳しい劉さんは「給料を上げても、中国の安い労働力という現状は変わらない」と指摘します。
深圳当代社会観察研究所・所長 劉開明
ラジオ・フリー・アジアの取材より
「中国人労働者の給料を2倍にしても、安い労働力という現実は変わりません」
ただし、もしアメリカの労働組合が介入すれば、外資の委託生産を請け負う企業などは、待遇を改善するだろうと述べました。
一方、中国の人権問題に取り組む活動家は、「最終的な鍵は、やはり当局が握る」と述べます。
中国天網人権事務中心 蒲飛
「極端に安い労働力が中国の競争力を支えています。安い給料が競争力の源です」
実の所、今中国では小規模な抗議が続発しています。これについて、中国問題に詳しい林さんは、80年代以降に生まれた若者とそれ以前の人たちは違うと指摘します。今の若者は、権利意識に目覚めており、労働者が団結することの大切さも分かっているからです。つまり、形だけの労働組合ではなく、真に自分たちの声を代弁する労働組合を組織すること。実際、ホンダ工場のストでは、自発的な活動が見られました。
実は中国政府は、「中華全国総工会」という労働組合しか認めていません。これは当局が支配する、党や国の代弁者です。最近のストを受け、大陸メディアは「ここ10年で給料を交渉する制度が整ってきた」と賞賛しますが、この給料の交渉の場に、現場の労働者は加わることが出来ません。
もちろん、当局は労働者が自由に組織することを許さないでしょう。そうすれば、搾取されていた農民は立ち上がり、さらにはメディアも声を発し当局に異議を唱えるはずです。
このストが収まらず、さらに労働者が自主的に組合を設立すれば、当局は武力でこれを抑え付ける、という最悪のシナリオさえささやかれています。
この問題に関し、台湾の経営者からは「一番困惑しているのは地方によって、政策がばらばらで最低賃金が統一されていない点だ」という声が漏れます。彼らは「政策を決める過程を、もっと透明化して欲しい」と訴えました。
新唐人記者がお送りしました。