【新唐人2009年10月28日付ニュース】中国がこのほど北朝鮮との貿易内訳の公表を取りやめたことにより、外部が中朝間の貿易の実態を把握できなくなる可能性が出てきた。これは中朝両国間の貿易がさらに活発になっている可能性を示している。
ロイター通信によると、10月25日、中国は9月の貿易統計数字を公表したが、統計表には二ヶ月連続対北朝鮮貿易の数字は入っていない。通常、外部のアナリストらは中国が公表した数字から中朝両国間の不透明な関係を推測する。しかし8月より、中国の統計表から対北朝鮮貿易統計数字が姿を消した。つまり、8月以降の統計数字は意図的に公表を避けているのではないかと見られている。
中国税関総署のある統計部門の幹部はロイター通信に、この変化はこれからも続くと答えたが、原因は明かしていない。匿名希望のこの女性幹部は、対北朝鮮の貿易統計はこれからも公表しない方針で,公表が許されていないと述べた。
今年5月、北朝鮮は核実験とミサイル発射を強行した。オバマ大統領は、この行動は世界平和を脅かしていると表明。国連は北朝鮮に対し厳しい経済制裁を行い、北朝鮮の対外貿易も大幅に制限された。しかし、中国との貿易は歴史的記録を創っている。
例を挙げると、昨年の貿易額は前年より41%増加し、北朝鮮の対外貿易に占める中国のシェアは73%に達した。
「ワシントンポスト」は、「中国貿易は北朝鮮を匿っている」と題した文章を発表し、「中国のおかげで北朝鮮の対外貿易は3年前の核実験以来の急劇的な伸びを見せている。」「中国が北朝鮮軍部にハードカレンシーを供給したことにより、中国企業は金正日の絶大な保護者になり、そのおかげで金正日の悪行は国際的に何ら影響を受けない」と指摘した。
また、北朝鮮の対外貿易と物資供給は中国に依頼している。北朝鮮の生存にとって中国はさらに重要な存在となった。中国が統計数字の公表をやめたことにより、中朝間の経済取引の変化を誤魔化すことができる、と文章は指摘する。
ロイター通信は、今回の統計数字公表に関する方針の変化は北京とピョンヤン(平壌)が政治および経済関係を強化したことに関係すると分析。今年5月北朝鮮が二回目の核実験を実施したことにより、中朝関係は一時緊張したが、10月の温家宝総理の訪朝は盛大な歓迎を受けた。金正日総書記は空港で温家宝総理を出迎え、強く抱きしめた。その後金正日は核問題をめぐる6カ国協議の再開の意向を見せた。
北朝鮮が一連の友好的な姿勢を見せてから、10月25日、韓国は一部の人道的支援を再開すると発表した。