HOME > ニュースページ > 環境問題 > 詳細

悲惨な中国人 素手で原油処理―大連事故の責任の所在は?

2010年08月01日

【新唐人2010年8月2日付ニュース】アメリカ史上最悪となったメキシコ湾での原油漏れ事故。その対応のまずさで、イギリスのBP社は、現在集中砲火を浴びています。では、大連で起きたパイプライン爆発事故はどうでしょうか。実は、地元の市民が素手で作業するなど、悲惨な状態です。彼らの健康状態が深く案じられています。

 7月16日大連でパイプラインが爆発し、大量の原油が流出。現在、漏れた原油を除去しているのは、主に地元の漁師です。しかし、全く防護措置が執られていません。長靴も手袋もマスクもなく、素手でヘドロ状の油をすくっているのです。
 
環境問題に詳しい鐘さんによると、石油の主な成分はアルカン、シクロアルカン、芳香族炭化水素。これらは発癌物質です。PAHも呼吸器疾患や癌を招く恐れがあります。
 
グリーンピース 鐘峪:「鐘(しょう)さんは、漁師の健康を心配しています」
 
悲劇は、これだけにとどまりません。7月20日、大連の消防隊員は、突風が吹き荒れる中で作業をしていました。しかし高波にさらわれ、わずか25歳の張良さんは、命を落としました。
 
この養殖した貝は、厚いヘドロで覆われています。ヘドロを取り除いても、有毒物質は容易に除けません。
 
では、海外ではどうでしょう。
 
今年4月21日、イギリスの石油メジャー、BP社の石油掘削基地が爆発。これにより、アメリカ史上最悪の原油汚染が起こりました。写真は5月3日、作業員がオイルフェンスを設置している様子です。
 
出来る限り原油を回収しようと、BP社は当局の許可を得てから、商業船や漁船などに対し、回収作業の参加を呼びかけました。
 
BP社は原油の回収のため、今年4月以来、35億ドル―約3000億円を投じています。このほか、今回の事故で被害を受けた漁師などを救済するために、200億ドルの基金を設立することにも同意しました。
 
韓国ではどうでしょうか。2007年12月7日、14万トン級のタンカーが朝鮮半島沖の黄海で事故に遭い、1.5万トンの燃料が流出。韓国はこのため、兵士や市民など約1万人を動員しました。
 
そして韓国政府は6つの都市を特別被災地区に指定し、人手や救援物資を送って、救援活動をしました。10年以内に、173億ウォン、日本円で約12億円を投じる予定です。
 
大連で起きた事故の責任は誰にあるのでしょうか。誰が汚染処理に責任を持つのでしょうか。その肝心な点が明らかにされず、地元の市民は危険にさらされ続けているのです。
 
新唐人記者がお送りしました。
 
 

トップページへ