【新唐人2013年06月29日付ニュース】６月２６日に新疆ウイグル自治区で発生した衝突事件では、少なくとも３５人が死亡。中国当局は翌日の夜にやっと事件の情報を発表したものの、事件の原因については明かしていません。中国外務省は２８日の定例記者会見では事件を“暴力テロによる襲撃だ”と非難しています。一方、イギリスBBCとAFPの記者の目撃情報によると、新疆の至る所に武装警察が配置されており、許可なしでは検問所を通ることができないそうです。また、地元住民には事件について公に討論しないよう警告が出されているそうです。
中国政府系メディアは６月２７日夜になって、“２６日午前５時５０分頃、新疆トルファン地区のピチャン県ルクチュンで衝突が発生。複数の襲撃者が地元の派出所、鎮政府庁舎および工事現場を相次ぎ襲撃し、警察車両に放火。事件によって２４人が死亡し、襲撃者１１人が射殺された”と報じました。
しかし報道は、事件が発生した原因や動機などの詳細についてはいっさい言及していません。我々は、襲撃されたルクチュン派出所に問い合わせてみました。
新唐人記者
「そちらは派出所でしょうか」
新疆ルクチュン派出所
「派出所だけと、なにか？」
新唐人記者
「二日前に派出所が襲撃を受けたと思いますが」
新疆ルクチュン派出所
「知らない！」
地元住民によると、地元メディアによる事件の報道はないそうです。
新唐人記者
「そちらの鎮では戒厳令が敷かれていますか」
新疆ルクチュン住民
「ええ」
新唐人記者
「大勢の警察がパトロールしていますか」
新疆ルクチュン住民
「ええ」
新唐人記者
「主に政府に対してですか」
新疆ルクチュン住民
「ええ」
事件のあったルクチュンに住む“王橋軍”というネットユーザーがミニブログ（微博）に “事件は当局の強制立ち退きが原因だ”と明かしています。王さんによると、地元の生活ゴミ処理場の問題やルクチュン歴史文化名所プロジェクトなどが長期にわたって停滞している為、地元住民の強烈な不満を招いているそうです。一方、長年の官民の対立に対し、地元政府は警察や城管を動員して暴力的に対処しているといいます。
日本訪問中の“世界ウイグル会議”の代表ラビア・カーディルさんは、当局は丸腰のウイグル族農民を武力で鎮圧し、対立を激化させていると非難。“世界ウイグル会議”も声明を発表し、中国当局に事件の真相を公表するよう促すと同時に、国際社会に中立の立場で地元に入り調査を行うよう呼びかけています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/06/28/atext922208.html （中国語）
（翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工）
