【新唐人2013年08月20日付ニュース】先日、デンマーク・ヘルシンゲル市議会の社民党議員ヤラン氏(Fuat Yalan)による「中国の気温が140℃まで上がり、中国人が焼け死ねばいい」という発言が、デンマーク国内で大きな波紋を起こし、中国のネットユーザーの間でも批判を呼びました。その後、ヤラン氏はこの発言について謝罪しています。最近、猛暑に見舞われている中国では、少なくとも40都市の気温が摂氏40度を超え、人々は連日の暑さに悲鳴を上げています。多くのネットユーザーは、高温が続く原因は”三峡ダム“の貯水や南水北調プロジェクトが関係しているのではないかと考えています。専門家の分析を見てみましょう。
7月以来、中国南方の上海、浙江、湖南、貴州など多くの省は、1951年以来最高の熱波に見舞われ、平均降水量は例年の半分以下のわずか992ミリと、1951年以来もっとも少ない雨量を記録しています。中でも浙江省奉化市では最高気温が43度を超え、連続一週間”最も暑い都市“のタイトルを保持しました。
“水郷澤国(すいごうたくこく)”と呼ばれる長江の中、下流地帯では高温が続き、大規模な干ばつが発生し、民衆に壊滅的な影響をもたらしています。統計によると、8月8日現在、湖南、貴州、江西、浙江、重慶、安徽などで4682万5000人が被害を受け、直接経済損失は263.9億元に上ります。
緑茶・西湖龍井茶(せいころんじんちゃ)で有名な浙江省では、茶の木が高温に焼かれ、野菜も大量に枯れています。重慶市では10万畝(ムー)(1ムー=6.667アール)の農作物が被害をこうむっています。ある専門家は中国大陸の猛暑の原因は、北アジア地区の亜熱帯性高気圧が雲の形成を邪魔したためと考るとともに、急速な都市化や地球温暖化も高温の要因の一つであると指摘しています。
この他に、多くのネットユーザーは本当の原因はおそらく“三峡ダム”の貯水や南水北朝プロジェクトが関係しているのではないかと疑問を投げかけています。
水利専門家 王維洛博士
「当時当局が作成した、三峡プロジェクトの環境評価報告に基づくと、重慶の最高気温は少なくとも4度下がるはずでした。つまり、重慶の最高気温は38度を超えないはずでした。しかし今年の気温はすでに42度に達しています。この事実は、中国政府の言った三峡プロジェクトの気候への影響は小さいという結論を覆しました」
ドイツ在住の水利専門家・王維洛(おう いらく)博士は、2006年に執筆した文章の中で、1986年三峡ダムの第一次環境評価報告の結論として、三峡プロジェクトが環境に与える影響は利益より弊害が多いと指摘しました。しかし、中央政府の政策担当者らはこの結論に不満を示しました。
1991年、中国国務院三峡プロジェクト審査グループは、この報告を否定しました。方子雲氏が環境2グループのグループ長に就任後、環境評価報告を書き直し、三峡プロジェクトの環境に対する影響は“弊害より利益が多い”との結論を出しました。
方子雲氏は1992年に三峡プロジェクトに関する一連の書物≪生態と環境≫を発表し、最高気温は約4度下がり、最低気温は3度前後上がると予想。当時、中国当局は方氏の観点を大々的に宣伝し、三峡プロジェクトは天然の空調機であると主張しました。
水利専門家 王維洛博士
「三峡プロジェクトのスタート後、重慶では今年何度も最高気温が更新され、過去最高気温を記録しました。つまり三峡プロジェクトは、宣伝されていた空調機の作用を発揮せず、最高気温は4度下がるどころか、却って上がりました」
事実が証明しているように、重慶市は三峡プロジェクトによって冬暖かく、夏涼しくなるどころか、巨大なオーブンと化しました。ダムは人工の障壁になり、水分は正常に四川盆地に入り循環することが出来ず、それに伴い、高温が生まれたのです。
重慶市は今、中国で極端に気候の悪い地区の代表となっています。干ばつ時には連続2か月も雨が降らず、気温40度を超す日が50日間続きました。豪雨時には2日間で降雨量が300ミリに達し、これは年間降雨量の4分の1を占めます。
王博士は、当時三峡ダムプロジェクトが弊害よりも利益が多いと主張した専門家は、政府から終身特別手当を受け、間違った結論に対しても何の責任を負う必要もなく、プロジェクトの費用は却って中国の民衆が負担していると指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/08/14/a948990.html(中国語)
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/藤坂 映像編集/工)