【新唐人2013年10月14日付ニュース】近年、海外を訪れる中国人観光客の数が激増すると共に、マナーの悪さが目立ち、多くの国で中国人は最も歓迎されない観光客にリストアップされています。国際社会で面目丸つぶれになった中国当局は先日、数十ページにわたる海外旅行のマナーガイドを発行。しかし、効果はほとんどないようです。評論家は道徳や伝統文化の破壊および信仰の欠如が、中国人のモラル低下の根本原因であり、道徳基準を建て直さない限り、規則制度をいくら多く設けても無駄だと指摘します。
10月の大型連休前、中国国家観光局は公式サイトで64ページにわたる国外旅行ガイドブックを公布しました。この事は国際輿論からも注目され、複数の海外メディアが報道を行いました。しかし、多くの外国人はガイドブックの内容に対し、理解し難いと示しています。
例えば、“人前で鼻をほじらない”、“プールでおしっこをしない”、“飛行機内のカトラリーや救命胴衣を持ち帰らない”、“便座に足跡を残さない”、“トイレの後は必ず流す”、“みだりに痰を吐かない”、“列に割り込みしない”、“写真を撮るとき、他の人とトラブルを起こさない”などなど、外国人なら子供でも当たり前のことが盛り込まれています。これらの一般常識をなぜ政府がいちいち規定として公布しないといけないのか。外国人なら理解に苦しみますが、これは中国では当たり前のことなのです。
バンコクのボランティア 田さん
「中国人観光客の素質は確かによくありません。ゴミのポイ捨ては一般的で、ゴミ箱を探そうとしません。トイレが見つからないと、道ばたで子供に用を足させるのです。横断歩道でもありました。中国人から見たら、ごく普通のことで、常習化してしまい、個別のことではありません」
近年、中国人観光客の一部行為は世界各国で問題となり、中国人の海外でのマナーの悪さを非難する報道が相次いでいます。バンコクの観光スポット・王宮のトイレには“トイレの後は流してください”と中国語で書かれています。また、ゴミ箱に中国語で“ゴミ箱はこちら”と書いてある国もあります。
中国人は、“非文明的な行為”の代名詞となってしまい、さらには多くの国で“世界最悪の観光客”に選ばれています。
バンコクのボランティア 田さん
「中国人観光客は見て、一目でわかります。目つきや気質、服装などからすぐわかります。日本や韓国とは歴然の差があります。声が大きく、遠い所からだと大声で呼びます。ここで長年やっていますが、他の国の人が大きい声で、相手を呼ぶのは見た事がありません。また中国人観光客が行商人と罵り合うこともあり、何回も目にしています」
中国当局の海外旅行のマナーガイドの公布によって、中国人のマナーは改善されたのでしょうか。残念な事に、世界各国の観光地からは中国人さえ恥ずかしくなるような迷惑行為が度々伝わっています。中国の文化評論家・葉匡政(よう)さんは、海外で問題になっている中国人観光客のこれらの行為の背後にあるのは、中国人の公衆道徳の欠如であり、単なる規定制度では変えられないものであると指摘します。
中国文化評論家 葉匡政さん
「中国人の公共意識欠如の重要な原因の1つは、1949年以降の30年間は革命化された或はマルクス化された、公共意識のモデルでした。革命者は細かいことにはこだわらないからです。後の30年間は価値観がごく簡単になり、二つだけです。金銭と権力なのです」
葉さんは、中国の礼儀文化、伝統文化、儒家文化および宗教の信仰が徹底的に破壊され、そのうえ意見を述べる社会の公共空間が剥奪されたことによって、中国人の道徳基準と価値観が徹底的に覆され、全体的なモラルの低下を招いていると考えています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/10/11/a982166.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)