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【禁聞】不動産価格高騰 景気低迷の活力となるか

2013年11月01日

【新唐人2013年11月1日付ニュース】中国の不動産価格は上昇し続けており、止めるものは何もないように見えます。今年のノーベル経済学賞受賞者シラー氏も、中国不動産の見通しは安易に発表できないとしています。中国不動産の先行きが不確定な原因は何か?バブルはますます大きく膨らむばかりで、破裂しないのか?専門家の分析を見てみましょう。

 

中国国家統計局のデータによると、主要70都市の9月の住宅価格は前年同月比9.1%上昇。8月の8.3%を上回っています。北京の新築住宅価格の上昇率は20.6%。上海は20.4%、深センは20.1%の上昇率となっています。

 

一線都市の住宅価格はここ10年で5倍に上昇しています。その一方で、多くの住宅が空室のままで、至る所に“ゴーストタウン”が現れています。経済低迷の状況にもかかわらず、住宅価格は上昇を続け、多くの経済学者が警告した不動産市場の崩壊の予測が外れてしまいました。

 

今年のノーベル経済学賞受賞者で、エール大学の教授であるロバート・シラー(Robert Shiller)氏は、2000年のアメリカのインターネットバブルの崩壊と、2005年から2007年のアメリカの不動産市場危機、および2008年の世界金融危機を予測しました。中国の不動産市場に対する“診断”が期待される中、シラー氏は中国不動産市場に対しては、ずっと慎重な態度を取っています。

 

数年前シラー氏は、中国の不動産価格は収入率、利益率、賃貸料さらに国際的、歴史的に見ても非常に高いレベルであると述べています。また今年6月には、中国などの国の住宅市場でバブルが存在するかもしれないと発表しています。

 

実際このバブルは、見たところ非常に堅固で、いつ破裂するのかは誰も予測できないかのように見えます。

 

浙江省大学商学研究院 李志文院長

「共産党はバブルです。不動産は共産党が崩壊するまではずっとこの様子でしょう。一旦政治情勢が不安定になれば、大きなバブルが現れます。全ては共産党が造り出した現象だからです。土地は政府が握っており、一部は意図的に吸血性を持つものに変わりました。土地が完全に市場化していたら、これほどひどく膨張しないでしょう」

 

ここ数年、中国当局は不動産市場に対し何の制御措置も取りませんでした。新指導部に変わってからも不動産市場に対する大きな政策は何も進められていません。これをチャンスに、政策による住宅価格の下落を懸念する潜在的な買い手が市場に戻ってきていると、評論家は考えています。

 

中国不動産投資顧問 鄭志遥氏

「不動産価格が絡む業種は多く、不動産バブルがはじけたら、経済危機と同じ結果をもたらすでしょう」

 

住宅価格の上昇が顕著な大都市では、生活コストも大幅に増加しています。北京市統計局が発表したデータによると、今年9月、北京市の消費者物価指数CPIは前年同比3.3%増加しています。食品、娯楽や教育用品及びサービス価格の上昇が著しく、それぞれ5.3%と5.7%増加。居住類の価格は4.7%増加しています。

 

統計局データに基づくと、前の月を100とした場合、住居賃貸料は104.5%、電気ガス水道は102%に上昇しています。北京では住居賃貸料が52か月連続で上昇しており、広州では48ヶ月、深センでは51ヶ月連続で上昇しています。10年前に比べ、5倍以上値上がりしています。

 

中国の経済評論家・葉壇(ようだん)さんは、不動産は資金の沈殿タンクではないと指摘しています。逆に、不動産はバブルを作り出す攪拌機となり、不動産からは新たな貨幣が生み出され、現金をほしがる人々のポケットに入っていっていると指摘します。

 

中国不動産投資顧問 鄭志遥氏

「本当に儲かる良い業界は防弾ガラスの扉に遮られ、入れません。唯一入ることが許されているのは不動産で、国家政策と各地のGDPへの依存が原因で、様々な資金が集中してくるのです」

 

経済低迷の状況の下、土地は中国共産党にとって、ほぼ唯一の資金源となっていると専門家は指摘します。葉壇(ようだん)さんは、都市化とインフラ建設、農民の移動、立ち退きと都市部貧民の救済などはいずれも土地の現金化が必要であり、地方政府の債務負担が増加すれば返済の手段に変化はなく、税収で足りない分は土地政策で補うしかないと締めくくっています。

 

葉壇さんは、予約販売許可をコントロールすることにより住宅価格を抑制するのは、自己欺瞞のショーではないかと疑問を投げかけています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/10/26/atext991345.html(中国語)

(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/工)