【新唐人2010年11月13日】2008年11月、国連・拷問禁止委員会の第41回会議が開催。中国共産党が提出した人権報告書と非政府組織の出した意見や資料が審議されました。11月21日、委員会は中国共産党に対し、法輪功への弾圧が始まって以来、中国で急増した臓器移植と、臓器の出所について説明するよう要求。同時に、独立調査と関係者の処罰も命じました。
2006年3月、法輪功学習者への臓器狩りが暴かれたあと、2007年、カナダの人権派弁護士、デービット・キルガー氏とデービッド・マタス氏は、独立調査報告書を発表。2008年、国連の拷問禁止委員会は、中国に詰問しました。
この驚愕の事件は、人々に大きな衝撃を与えました。世界の関心も高まる一方ですが、当事者の中国共産党は、いまだに何ら中身の伴った説明をしていません。一方、人権団体や個人の懸命の調査により、様々なルートから、この件の詳細や証言が浮かび上がってきました。
2007年1月、カナダの有名な人権派弁護士、デービッド・マタス氏と、元国会議員のデービッド・キルガー氏は、中国共産党による法輪功学習者への臓器狩りの調査報告書を発表。
この第2版の報告書では、証拠の種類が第1版の18種類から33種類に増加。より多くの病院や刑務所、裁判所に対する電話調査や不法に監禁された法輪功学習者の証言もあります。このほか、中国で臓器移植の手術を受けた外国人の患者の取材も加わりました。衝撃的な報告書を出した2人は、世界各地で講演を行い、報告書を紹介しました。また、第3版の報告書の作成のため、さらなる証拠集めもしています。
2008年7月、マタス氏はアメリカで、かつて中国・江蘇省(こうそしょう)の刑務所に服役していた男性を取材。法輪功学習者ではありませんが、当局からの迫害を避けるため、「ラニー」という仮名を使います。
2005年3月から2007年初めまで、2年余りの間に、ラニーさんは17回も部屋が替わりました。部屋の受刑者は「2002年から2003年の間、どの部屋にも法輪功学習者からの臓器狩りが2,3件はあった」と彼に告げました。
証人 ラニーさん(仮名)
「刑務所では毎年健康検査が2回はありました。服役が長い受刑者によると」ねらいは臓器狩りです。例えばたくましい若者が臓器狩りの対象です。つまり死刑囚と法輪功学習者。彼らへの検査は詳しく、他の人の場合はいいかげんです。目的は死刑囚と法輪功学習者の健康診断です」
ラニーさんは、臓器狩りの対象者が薬物注射される姿も目撃しました。
デービッド・マタス氏 カナダの著名人権派弁護士
「かつてラニーさんは麻酔薬を静脈注射されるのを見ました。
記者
「首ですか」
デービッド・マタス氏
「首です」
証人 ラニーさん(仮名)
「この目で見ました。縛られた人が横たわり、目を閉じていました。麻酔薬を打たれたからです。大きな注射でした。指3本分の太さです。中には液体があり、元々半分ほど液体があったのに、私が戻った時には液体がなくなっていて彼はベッドにもたれ、目を閉じていました」
デービッド・マタス氏
「外にはいつも病院の白い車が止まっていました」
証人 ラニーさん(仮名)
「私は取調べを受けていた時、車が中庭に入ってくるのを見ました。白い救急車より大きかったです」
デービッド・マタス氏
「監房のボスはラニーに、この人はこれから臓器をとられるんだと告げました。外で待機する車も静脈注射も
そのためです」
2006年11月、ラニーはほかの監房に移されると、「陳さん」という法輪功の学習者に出会います。
証人 ラニーさん(仮名)
「私が来た時彼はもう行く所でした。私と過ごした時間は短いですが、彼は決まりを守らなかったとかで、ひどく殴られ足も折れました。座ることもできなくなり、腰もだめになりました。呼吸すら大変そうでした。最後彼は連れて行かれ、それ以来消えました…」
デービッド・マタス氏
「監房のボスによると、法輪功学習者と死刑囚は同じ手続きを踏みます。まず血液検査。首に注射をされて、白衣を着た人に連れて行かれ、外に病院の車が待機している」
証人 ラニーさん(仮名)
「後で彼は臓器狩りにあったと聞きました。法輪功学習者への臓器狩りは、あの刑務所ではよくあるそうです。彼らを殴ってから、生きたまま臓器を奪う。臓器狩りと処刑は刑務所では常識で、隠し事でもなく外の人だけが知らないのです」
ラニーさんによると、刑務所の警察が法輪功学習者をリンチするのは、臓器狩りがねらいだといいます。もし、その学習者の血液型などが移植を待つ患者とぴったり合えば、その人はリンチの対象になります。
記者
「ねらいを定めたらその人にリンチするんですか」
証人 ラニーさん(仮名)
「はい。とりわけ厳しく接します。殴ったりして、けんかをふっかけます。最初は口げんかで、その後は暴力です。不服するとまた殴ります。これを繰り返し肋骨や足が折れるまで殴ります」
デービッド・マタス氏
「法輪功の学習者が刑務所に入れば、臓器狩りの対象となると私は見ます」