【新唐人2010年12月1日付ニュース】今、日中を大きく揺るがしている尖閣諸島。尖閣諸島のある東シナ海では、潜水艦をめぐり、ひそかに激しい戦いが繰り広げられています。本日は、“世紀の激戦”シリーズの第3回“東シナ海をめぐる日中の攻略”の前半をお届けします。
【司会者】1895年2月17日、清朝の精鋭部隊で、当時アジア屈指だった北洋艦隊が、旧日本軍によって壊滅させられました。これは、中国人の心に深い傷を残すと同時に、日中のその後百年にわたる複雑な歴史感情の始まりになりました。
第二次世界大戦後、日本は軍国主義を放棄し、両国の関係も大きく改善しましたが、90年代に入ると、中国大陸では反日のナショナリズムが台頭し始めます。
そして2010年の尖閣諸島問題で、反日感情はひとつのピークを迎え、両国の海軍力が注目を浴び始めます。
1894年、9月17日、中国と朝鮮半島をはさむ黄海で、清朝の北洋艦隊と日本の海軍連合艦隊が激戦を展開しました。これは世界で初めての蒸気装甲艦同士の戦いであり、近代で日中唯一の、海軍の主力の全面対決でもありました。
日本と中国はどちらも太平洋の西部に位置し、東シナ海は両国が共有する海域です。これにより、資源と安全において、双方の利益が重なり合います。
北洋艦隊の壊滅、日清戦争の終結から100年以上をへた現在、当時、ほとんど見向きもされなかったいくつかの小島が物議をかもしています。それが尖閣諸島(中国語名、釣魚島)です。
尖閣諸島は東シナ海の南部に位置し、台湾と琉球諸島の間にあります。19世紀の後半まで、清朝は、台湾の周辺の島を自らの管轄範囲としていました。
日清戦争後、台湾全島が日本に割譲されましたが、ごく小さな尖閣諸島が日本に接収されても、物議をかもしませんでした。
中国大陸で、尖閣諸島の領有権を訴える運動は90年代以降に始まり、2003年には、民間の抗議船が出航。この間、ずっと中国政府からは阻止されてきました。
東シナ海のガス田開発の現実味が増すと、中国政府は尖閣諸島問題で、強硬な姿勢をとり始めます。しかし、過去数十年、何の行動もとってこなかったため、日本が長年、尖閣諸島の管轄権を握ってきました。
尖閣諸島の帰属問題に関して、日中両国の専門家の見方は大きく分かれます。軍事専門家の小川和久(かずひさ)氏の観点は、日本の学界を代表する声といえるでしょう。
軍事専門家 小川和久氏
「(尖閣諸島は)日清戦争で取られたという言い方がありますが、歴史的な事実には基づいていないです。日清戦争の結果、日本は中国から色々なものを得たのは下関条約ですが、それ以前に、あの年の何ヶ月か前に、日本は尖閣諸島の領有を別の問題としてやっています。これには全部資料があります。これは日本共産党が国会で明らかにしたくらいです。あと、1953年の“人民日報”も“日本国の尖閣諸島”だとはっきり書いていますし…」
今日、日中双方の主な争点は境界線の画定です。中国は、大陸棚に基づく原則を主張。両国の大陸棚は、沖縄トラフで区切られ、尖閣諸島は中国側に位置します。一方、日本は国際法の“中間線”に基づき、島は日本に属すると主張。
【司会者】1972年、アメリカは琉球諸島の管轄権を日本に返還した際、尖閣諸島も返還。つまりアメリカは、形勢を統治前の状態に戻したのです。しかし、これにより、尖閣諸島問題の解決の機会が失われました。
東シナ海で火花が散るのは、海底に豊かな資源があるからですが、軍事と安全の角度からみれば、どんな意義があるのでしょうか。
評論家 文昭氏
「尖閣諸島は海外の小島なので、戦争が起きたら生き残るのは困難です。でも、レーダー基地やミサイルを設置して、偵察や攻撃の拠点にすれば、意義があります。中国が尖閣諸島を占領し、潜水艦基地を造って、潜水艦を沖縄トラフに向けて潜行させれば、日米の偵察から逃れるのに有利です」
また日本から見ても、尖閣諸島には一定の軍事的な意義があります。日本列島は南北に細長いため、内陸のどの地点も海岸からの距離は120キロを超えません。つまり、どの場所も攻撃を受ける恐れがあるのです。
このような地理条件のため、海と空からの攻撃に対し、対応する時間を十分にとれません。したがって、日本の防衛戦略はこれまで、外海に向けたもので、敵が日本に近づく前に、海上で壊滅させるものでした。
よって、本州など4つの島以外の小島に、軍事力を配備するのには、戦術を支える意義があります。
日本の一部の軍事専門家は、尖閣諸島に軍事基地を築けば、日本の国土防衛を西や南に広げるのに有利だと述べます。
専門家 文昭氏
「日本は米国との軍事同盟があり、情報と軍事資源を共有できるので、尖閣諸島の軍事的意義はそれほど突出していません。日本が今後、地域戦略で積極的に動くのなら、状況はやや変わるでしょう。日本の防衛戦略の弱点は特殊な地理条件です。しかし海を隔てる日中の地理的特徴は中国にとっても戦略的な弱みになります」
グローバル経済が発展する中、海上輸送は各国にとって経済の大動脈であるほか、戦争を続ける能力にも関わってくるため、きわめて重要な軍事的な意義があります。
中国大陸は、北は日本列島、南は台湾やフィリピン諸島に囲まれているため、戦争がいったん勃発すれば、海岸線が封鎖されます。一方、日本の場合、もし中国と戦争をすれば、海上輸送を中国に近い東シナ海や朝鮮海峡、つまり日本の西側から、日本の東側の太平洋側に移せばよいだけです。
だから、日米は、中国の貿易を容易に封鎖できる半面、中国が日本の貿易を阻むのはずっと困難です。
評論家 文昭氏
「日本経済の命綱は海上輸送です。工業原料やエネルギーは輸入に依存しています。中共がそれを封鎖するには、潜水艦を使うしかありません。海底から第一列島線を突破し、日本の東太平洋に行きます。航路に潜伏し、貨客船を攻撃します。だから日中の軍事対立では潜水艦がカギとなります」
海中深くを移動する潜水艦には、敵から発見されにくいという特徴があります。何の前触れもなく海底から姿を現し、攻撃するのです。それゆえに、潜水艦は敵に巨大な心理的なプレッシャーを与えられます。よって、海軍の戦いにおいて、実力の劣るほうは、潜水艦部隊を強化して、敵を威嚇しようとするのです。
世界大戦で、ドイツ海軍の軍艦は、規模でイギリスに大きく劣っていたものの、神出鬼没の潜水艦で、イギリスの海上輸送に打撃を与えました。
もし、“無制限潜水艦作戦”にアメリカが参戦しなければ、ドイツは潜水艦の数を増やすだけで、簡単にイギリスを打ち負かすことが出来ただろうと分析する専門家もいます。
日本とイギリスはどちらも島国です。国土が狭く、資源にも限りがあります。では、日中で戦争が起こった場合、中国には日本に対して潜水艦作戦をする力があるのでしょうか。解放軍について詳しい小川氏は、“共産党を守ることが軍の絶対的な使命である中国は、依然として陸軍国家であり、近年海軍が発展してきたとしても、まだ限りがある”と指摘します。
軍事専門家 小川和久氏
「中国の軍事力は、もともと共産党を守るためのもので、堅い言葉で言うと、暴力装置が解放軍ですから、陸軍国なのです。陸軍中心に軍隊を組み立て、共産党を守るためのものなので、海軍や空軍はどんどん近代化を進めて、少しずつ大きくなるけれども、陸軍に比べると小さいのです。陸軍が中心にいかないと共産党の指導力を維持できないので、海軍の増強も一定のところで推移せざるを得ません」
【司会者】第二次世界大戦時のイギリスとドイツを例にすれば、日本の技術力および軍事的な潜在能力は、イギリスと重なります。一方の中国は、技術力において、ドイツにはるか及びません。ただし、中国軍の潜水艦作戦の展開が難しいのは、科学技術などの要素だけではありません。地理的条件も障害になります。
評論家 文昭氏
「東シナ海と黄海の大陸棚は浅く、黄海の大陸棚は水深が40m余りで、最も深くても150mを超えません。東シナ海の大部分も100mを超えず、潜水艦にとって不利な条件です。たとえ東シナ海の海底を潜航しても、東シナ海の海底は平坦ではなく、暗礁も多い。この地理条件では潜水艦作戦には不利です」
東シナ海の大陸棚は広大で、西は中国の浙江省沿岸一帯から、東は沖縄トラフにまで広がります。直線距離で400~600キロで、水深100メートル未満の浅海です。通常、50メートル以下の水深では、潜水艦の活動は困難になります。
100メートルならば、何とか潜航できますが、東シナ海の海底は険しく、暗礁ばかりなので、潜水艦は十分深くもぐることができません。しかも、日米には発達した衛星偵察システムがあるため、中国軍の潜水艦は基地を離れたとたんに発見されます。この浅海で、敵に見つからずに活動するのは非常に困難なのです。
一旦、東シナ海の大陸棚を超えると、地形が大きく変化し、水深は150メートルから1000メートルにまで達します。ここにもぐった潜水艦は、姿を隠すのが容易になります。
このため、九州、台湾からフィリピンなどを結ぶ第一列島線を越えられるかが、中国軍にとってはカギになります。
もし大陸棚を越えられないならば、戦時に日本の東側の航路を脅かすのが難しくなります。日本の経済の命脈を絶つことができないうえ、逆に日米からは一方的に封鎖されてしまいます。
評論家 文昭氏
「原潜はもっと大きいので、浅い水域には適しません。南シナ海の大陸棚も200m未満です。ただし、やや平坦で日本や台湾から少し離れています。そこで中国軍は原潜基地を海南島・三亜の榆林に建設。南シナ海の掌握は中国にとって、直接的な軍事的意義があります」
国際評価戦略センター フィッシャー氏
「中国は南シナ海で原潜の安全な活動地域を造ろうとしています。東シナ海ならば、もちろん台湾を含むほか、ここは日米海軍の活動地域です。中国軍はここも制御したいのです」
専門家 文昭
「南シナ海を制御したら、中国軍は原潜で深海へもぐれます。バシー海峡、バリンタン海峡へ南下したら、北上し、日本の東の航路を脅かします。つまり、南シナ海か東シナ海から第一列島線を突破して、初めて日本を威嚇できます。東シナ海と南シナ海はセットです」
原子力潜水艦は、理論上、航行を続ける能力は無限です。しかし、原子力潜水艦の建設費用は巨額で、アメリカの攻撃型原子力潜水艦の場合、1隻20億ドル、日本円で約1600億円。戦略的原子力潜水艦は、もっと高価です。
だからアメリカやイギリス、旧ソ連といった軍事大国でさえ、潜水艦をすべて原子力潜水艦にする余裕はありません。よって中国軍も、しばらくの間は、通常動力型が潜水艦部隊の主力となりそうです。
軍事専門家 小川和久氏
「中国は60隻位の潜水艦を持っています。あと、原子力潜水艦の中でも、アメリカの航空母艦の機動部隊を追いかけたり、アメリカの原子力潜水艦とやりあうための攻撃型の原子力潜水艦。これが数でいうと8隻ぐらい、そのうち古い“漢(ハン)”というクラスは、ほとんどもう使い物にならない。そして新しいものが2隻から3隻、実際には運用できる状態です。ただこれも3隻運用できるといっても、3隻そのまま作戦には使えません。通常型の潜水艦でも、ロシアから輸入した“キロ”というタイプ、これは音がかなり静かです。この間、宮古島の沖を通ったのはこれです。これと中国の国産の“ソン”というクラス、“宋”。こういったものがやや新しいのだけど、これもやはり、十数隻くらいの規模でしか使えません。あとは古いです。中国から沿岸を守るのが精一杯です」
【司会者】1960年代、中国は潜水艦の研究と開発に着手。80年代末ごろから、実際の運用を始めましたが、東シナ海という不利な地形と、遅れた装備のため、中国は東シナ海での潜水艦競争で、水をあけられていました。
中国の一代目の通常動力型潜水艦は、035型の“明(ミン)”、二代目は039型の“宋(ソウ)”。どちらも旧式のディーゼル潜水艦です。これは、潜水艦が水面航行をする際、ディーゼルエンジンを動力として使います。ディーゼルエンジンは大型バッテリーとしても使われます。
潜水艦がもぐると、十分な空気をディーゼルエンジンに送れないので、潜水艦は充電した電力を動力とするほか、潜水艦の設備に供給します。
ディーゼル潜水艦の欠点は、バッテリーの電力がある程度まで消費されると、水面に浮上して充電しなければいけない点です。何度も浮上すれば敵に発見される危険が増します。
中国の東海艦隊の舟山基地から沖縄トラフまでは、最短直線距離で約470キロ。東海艦隊のディーゼル潜水艦は、十分に充電していても200海里しか潜航できません。つまり、中国軍のディーゼル潜水艦では、1度の潜航で危険な大陸棚の浅海を越えることが難しいのです。海面に浮上して充電をする必要があるものの、日米の進んだ潜水艦偵察システムが目を光らせています。
評論家 文昭氏
「中国軍の潜水艦は東シナ海で発見され次第、攻撃される状態です。日米の東シナ海での対潜戦略は固定翼の哨戒機です。ディーゼル潜水艦は何度も水面浮上する必要がある一方、哨戒機は巡視範囲が広く、先進のレーダー・赤外線探査設備を持つので、浮上した潜水艦をすぐに見つけて、攻撃できます。潜水艦が何とか逃れても、哨戒機が味方の援軍を呼び、広範囲で捜索します。ディーゼル潜水艦は遅いので、戦争で発見されれば、生存率は低いです」
このような劣勢の中、中国軍は長年、装備の改善のため大きな力を注いできました。積極的にロシアなど外国の機関に対し、援助を求めたのです。
1990年代、中国軍はロシアの“キロ型”潜水艦を導入。音の静かさでは世界をリードしているものの、いまだにディーゼル動力を使っており、航続距離の問題はいまだ未解決です。
しかし、輸入した装備の技術の消化と、ロシアなどから取り入れた技術を通じ、中国軍の通常動力型潜水艦の技術レベルは飛躍的な発展を遂げました。
国際評価戦略センター フィッシャー氏
「中国の発表では三代目の通常動力の攻撃型潜水艦を開発。15年以内の開発で、中身はまだあまり知られていません。外見からは先進的な特徴が見られ、ロシアの進んだ潜水艦と明らかに似た点があります。中国軍は潜水艦作戦能力で大きく発展を遂げています」
フィッシャー氏が触れた中国軍三代目の通常動力型潜水艦とは、“元級”039A型のことです。技術面については、まだ多くの点が不明ですが、旧式の“明”や“宋”と比べて、特筆すべき点があります。
“AIP”技術の導入です。これにより、水面下での潜航能力がずっと上がりました。
いわゆるAIPというのは、空気がなくても潜水艦のエンジンが水面下で動いて、動力を取り出せる技術のことです。
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンはどちらも内燃機関に属し、空気が入ってこないと、動力を取り出せません。しかし、AIP技術を使えば、空気に依存しなくてもエンジンは動きます。これは、潜水艦にとっては画期的な技術なのです。
空気に依存しないエンジンは、各国、別の方法を採用していますが、大まかにいえば、閉鎖循環式のディーゼルエンジンや外部の加熱・冷却で動力を得る“スターリンング”エンジンがあります。
ただこの2つとも、液体酸素で空気を作る必要があります。このほか、燃料電池を選択したドイツの潜水艦は、水中でも動力を供給できます。
日本は工業の発展国として、潜水艦のAIP技術もずっと中国の先を行っています。2000年には、“はるしお型”にAIPの技術を取り入れ、そのあと、“そうりゅう型”も、空気に依存しないAIPを装備しています。
中国軍の“元”は、AIPシステムを使うことで、短い航続距離を克服できました。充電のため何度も浮上する必要がなく、ずっと潜航できます。こうして、一遍に東シナ海の大陸棚を越えて、深海にもぐれます。結果、姿を隠しながら相手の防衛を突破する能力がぐんと上がりました。
評論家 文昭氏
「中国の潜水艦のAIP技術が成熟して大量に装備したら、日米にとっては大きな脅威です。対潜哨戒機の役目が減るので、監視船や潜水艦で警戒するしかありません」
潜水艦に対する最も有力な武器とは、潜水艦に他なりません。潜水艦は、ソナーなどの音声探査機で、深海の音の情報を収集、分析。敵の潜水艦を発見するのは、どの方法よりも容易だそうです。
潜水艦の中でも、最もすごいのは、攻撃型の原子力潜水艦だといえます。というのも、原子力潜水艦は推進力が強く、進むのも早く、機動性にも優れています。一旦敵の潜水艦を発見したら、すばやく追撃できます。不利な状況ならすぐに逃げられます。
評論家 文昭氏
「憲法の制約により、日本は原潜を造れません。中国の潜水艦が日本の東側にまで達すれば、さらなる米軍の助けが必要です。米国の“バージニア級”、“ロサンゼルス級”攻撃型原潜は世界でも随一です」
戦後間もない1947年、日本は“平和憲法”を公布。戦争の権利を放棄したため、日本の軍事力は厳しい制限を受けることになりました。“大日本帝国海軍”の解散後、新たにできたのが海上自衛隊、その任務は、領海、排他的経済水域と海上輸送路の保護などに限られています。
別の面から見ると、海上自衛隊は長年、対潜水艦という防衛任務を柱としてやってきたので、その装備や訓練は、アジアでも屈指です。日本は、対潜哨戒機を所有するほか、通常動力型潜水艦と水上艦艇の性能でも中国の上を行くと見られ、教育や訓練のレベルも優れているそうです。
アメリカの助けのもと、日本は衛星から海底ソナーネットワークまで、立体的な対潜水艦の監視システムを所有。その一方、中国軍は防衛突破能力を上げ、東シナ海で軍事衝突の恐れも高まっていますが、小川氏はこう分析します。
軍事専門家 小川和久氏
「日本の海上自衛隊の潜水艦に対する能力は、アメリカに次いで世界で2番目なのです。その能力がアメリカと一緒に台湾の北半分の海域を見るわけですから、潜水艦は入ってこられない。でも中国の海軍の軍艦を5隻とか6隻沈める能力は、海上自衛隊のほうがあるわけです。そうやられてしまって、日本を攻めることも出来ないとなると中国は国際的に恥をかきます。中国の軍はそういうことはしないです」
【司会者】21世紀に入ると、中国海軍の活動は活発さを増します。潜水艦部隊の演習では、何度も第一列島線を越えました。中国大陸の愛国主義者はこれに興奮を隠せません。これは力の逆転を意味しているのでしょうか。小川氏のエピソードをお聞きください。
2004年11月、中国の攻撃型原子力潜水艦“漢”が宮古島と石垣島の間の海域に侵入。日本の海上自衛隊は、この潜水艦を追跡したほか、これを対象とした攻撃演習を何度も行いました。
軍事専門家 小川和久氏
「あの時、私の自衛隊のときのクラスメートが海上自衛隊の航空集団司令官、海軍中将だったけれども、彼の部隊はあの潜水艦を標的にしながら、ずっと攻撃する訓練をやっていました。何回撃沈したのかといったら、想定の中では何百回も撃沈しています」
【司会者】東シナ海の潜水艦をめぐる戦いで、一方は潜水艦の作戦能力を必死に高め、もう一方は対潜水艦のレベルを上げ続けています。
この矛盾した競争はこれからも続いていくでしょう。しかし、結局は潜水艦も海軍力の一部に過ぎません。では、海軍のほかの領域では両国の力関係はどうなのでしょうか。東シナ海の情勢ではどんな態度を取るのでしょうか。両国はこの互いにいがみ合う歴史の宿命に終止符を打てるのでしょうか。“東シナ海をめぐる日中の攻略”の後半をお楽しみに。
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