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【禁聞】危険な略奪—通貨増刷は政権を葬る?

2014年01月24日

【新唐人2014年1月24日付ニュース】海外メディアが先日、中国の深刻な債務問題を取り上げました。経済発展途上において、高い負債率は必然的な現象なのでしょうか。これらの債務はどのようにして生じて、また、どのように返済するのか。中国の庶民と当局に与える影響は?なぜ経済学者は通貨の大量発行を「危険な略奪」と言うのでしょうか。専門家の分析を聞いてみましょう。

 

フランスの新聞「リベラシオン」が先日、「重い債務を背負った北京」と題した長編文章を掲載しました。文章によると、中国の公債が国内総生産に占める割合は4年前の17%から58%に急増。さらに、民間企業の債務も合わせると、215%に達しますが、2008年には131%でした。

 

また、中国の公債の増加のスピードが速すぎるのは、主に地方政府の債務が原因で、2年半の間に67%増加し、2兆2千億ユーロに上ると、文章は指摘しています。泥沼にはまった多くの地方政府は、引き続き大量の借り入れを起こして利息の返済にあてるしかないのです。

 

北京師範大学の経済学者、段紹訳(だんしょうやく)さんは、経済発展には融資が必要であり、融資を受けると負債額が増えるのは当然だが、中国のような高い負債率は経済発展の必然的な副産物ではないと考えます。

 

北京師範大學MBA指導教官 段紹訳氏

「債務には良性債務もあり、不良債務もあります。良性債務は新たな富を生み出すことができます。借りた人が多く稼げば、債権者も利息を多くもらえます。しかし 不良政権であれば、新たな富を生み出せず、返済もできなくなります」

 

文章はまたアメリカの経済学者、ペティス氏の言葉を引用し、中国のほとんどの投資は誰も住まない不動産や誰も使わない高速道路や空港、または工場の建設に使われていると指摘。

 

北方のオルドスから南部の三亞市まで、裕福な浙江省温州市から貧しい寧夏回族自治州の海原まで、至る所にゴーストタウンが作られ、西側のメディアにも度々取り上げられています。

 

北京師範大學MBA指導教官 段紹訳氏

「この中の多くが不良債権です。新たな富を生み出せないのは投資は主に政府行為であり、理性的ではないからです。自分の金ではないので、節約など考えないのです」

 

ゴーストタウンのほかにも、中国各地では近年豪華な建築物が大量に建設され、西側諸国をあぜんとさせています。「リベラシオン」の文章は、安徽省のある小さな町の政府がアメリカのペンタゴンと同じ規模の政府ビルを建てたと伝えています。また、北京、武漢、重慶、広州などの大都市には60から100棟の摩天楼が建てられています。

 

段さんは、このように生まれた債務は、当局を深刻な信用危機に陥れていると指摘します。

 

北京師範大學MBA指導教官 段紹訳氏

「不良債権は資源の浪費です。つまり、真の富が減少し、庶民の福利が影響を受けます。政府が債務を直ちに解決しないと、国民から信用をなくします。農民が政府に対し、信用をなくせば、災難をもたらします」

 

アメリカ在住の経済学者、程暁農(ていぎょうのう)さんは、地方政府の債務は、中央政府所属の銀行が負担することで解決されると指摘します。一方、中央政府は銀行を破綻させるわけにはいかないので、通貨を増刷するしかなく、つまり、インフレで債務を減らすと分析します。

 

程さんは、中国共産党は最終的に地方債務によって崩壊するのではなく、地方債務によってもたらされるインフレによって崩壊すると信じています。

 

「浙江大学法律と経済学研究所」の創設者の一人で、学者の荘道鶴(そうどうかく)さんは、深刻な債務は中国の経済発展の重荷になるのは間違いないものの、政治体制の原因で、当局は非正常的な方法で解決すると考えます。

 

浙江大学教師 荘道鶴氏

「疑う余地もありません。でないと、当初の4兆元の景気刺激策はなかった事でしょう。共産党国家であるため、人的物的全ての国民経済資源を独占しているので。オーバードラフトの方法で、後世の発展を顧みず、略奪的かつ破壊的な開発を行うのです」

 

中国の財経評論家でコラムニストの「牛刀」さんも、2009年から行っている大量の通貨増刷は「国民の財産を略奪する金融行為」であると指摘し、これは非常に危険な行為で、多くの政権は通貨増刷によって葬られたと警告しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/01/23/atext1049230.html (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/水田 映像編集/工)

 

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