HOME > ニュースページ > 経済 > 詳細

【禁聞】危機の渦中の中国銀行業?

2014年04月07日

【新唐人2014年4月7日付ニュース】最近のある報告書によると、昨年、新たに増えた中国の五大国有銀行の不良債権額は468億3100万元で、おととしの3倍に達しました。一方、それらの銀行の債務減額はおととしより120パーセント増えて、590億元に達し、10年ぶりの規模になりました。

 

では、中国銀行業の不良債権が急増した原因は何でしょうか。債務減額の規模拡大が暗示することとは?また、中国経済の成長の低迷は、巨額債務を抱える銀行業をいっそう苦しめるのでしょうか。

 

「騰訊(テンセント)財経」は4月2日、去年の中国の上場銀行12行の年次報告書に基づき、中国五大国有銀行の債務減額は590億元に達し、2012年よりも120パーセント増え、10年ぶりの規模になりました。

 

アメリカの「ウォール・ストリート・ジャーナル」は3月31日、中国の五大国有銀行は、去年、貸し倒れの相殺を増やしていると報道しました。推計では、五大銀行の貸し倒れ相殺と不良債権に移された額はあわせて、639億2000万元で、2012年の相殺額の2.5倍に達するそうです。

 

アメリカ・サウスカロライナ大学 謝田教授

「債務減額の拡大や貸し倒れの相殺の増加から、中国の国有銀行が厄介に直面していることが分かります」

 

この五大国有銀行はそれぞれ、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行、そして中国交通銀行です。

 

アメリカ・サウスカロライナ大学の謝田教授によると、国有銀行の大規模な融資や多額の資金は、ほとんど不良債権と貸し倒れになり、結果、国有銀行は去年の下半期、資金不足に陥りました。

 

去年の財務報告書によると、五大銀行は去年、不良債権が新たに468億3100万元増えました。おととし2012年に増えた不良債権額はわずか109億5200万元です。

 

多くの投資家は、国有企業の管理は不透明なので、五大銀行の不良債権は発表額よりも多いだろうと見ています。

 

中国銀行の陳四清総裁によると、地方政府の設立した融資プラットホームの貸付のうち27パーセントが今年、満期を迎えます。一方、生産能力過剰産業への貸付総額は1885億元に達します。

 

すると不良債権はいっそう増えるのでしょうか?これに対し、陳四清総裁は、今年は地方政府の融資プラットホームや生産能力過剰産業、および不動産業の貸し付けの質に注目すると述べました。

 

一方、謝田教授は、「銀行は貯金と融資の差額で儲ける」と述べます。

 

アメリカ・サウスカロライナ大学 謝田教授

「中国は実質民間消費の融資はずっとあまり大きく増えておらず、大部分が企業融資です。ただ企業融資は中国経済の低迷や生産過剰、倒産やバブル崩壊で不良債権に変わります。それが不良債権増加の原因です」

 

中国の経済成長率は2007年の13パーセントから2013年には7.7パーセントにまで減速しました。今年の第1四半期は7.3パーセントにとどまると予測されます。

 

「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、経済成長の減速は、多くの企業の返済能力に影響すると指摘します。

 

3月には、中国国内企業としては初めての、社債不履行のケースがありました。上海に本社を置くCHAORI SOLAR(チャオリーソーラー)株式会社は社債の利払い、8,980万元が不履行になりました。

 

このほか、不動産開発業者の浙江興潤置業投資有限公司も、6億ドルの銀行融資が返済できなくなったと発表しました。

 

金融アナリスト 任中道さん

「回収不能になった融資は銀行の利潤から差し引かれるので、まず銀行の利潤が減り、中国経済がいっそう低迷します。すると銀行の不良債権も増えます」

 

金融アナリストの任さんによると、銀行はほかにも資産価値の低下にも直面します。

 

「騰訊(テンセント)財経」の指摘によると、経済成長の減速で、銀行の不良債権の減額が急増し、中国の銀行業の経営圧力が高まり、金融環境が悪化します。

 

投資ファンド会社のTowson Capital(トウソン キャピタル)の共同経営者、トウソン氏とマッキンゼー&カンパニーの調査組織、マッキンゼー グローバル インスティテュートのアジア地区理事、ウォツェル氏は先日、大陸の銀行業は、いまだかつてない圧力にさらされており、巨大な金融危機がまもなく起きると警告しました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/04/04/atext1095298.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/萩野 映像編集/工)

 

 

トップページへ