【新唐人2014年7月26日】中共当局は最近、脱北者20人と彼らを助けたガイド６人を逮捕して、国際社会の関心を集めました。逮捕された脱北者は北朝鮮に送還される恐れがあるため、韓国政府は、彼らを釈放するよう中共側に求めています。習近平国家主席が７月上旬に韓国を訪問し、中韓関係が深まろうとする今、なぜ、このような事態が起きたのでしょうか？報道をご覧ください。
「ボイス・オブ・アメリカ」と「ラジオ・フリー・アジア」はいずれも23日、脱北者が山東省と雲南省の２つの都市で、ほぼ同時に中共当局に逮捕されたと伝えました。20人は４つの家庭で、60歳過ぎの夫婦が１組、１歳の赤ん坊１人、20歳過ぎの若者などです。彼らの逃亡を助けたガイドも捕まりましたが、そのうち１人は、現在、韓国に定住している元脱北者です。
情報によると、中共と北朝鮮は、いわゆる不法越境者を送還する取り決めを交わしているので、今回の脱北者は送還させられる可能性が高いと見られます。
彼らは恐らく、まず中国と北朝鮮の国境付近、図們市の拘留所に収監されてから、北朝鮮に送還されます。韓国政府は現在、状況把握に努めると同時に、中共が彼ら脱北者を釈放するよう望んでいます。
韓国政府は、人権保護と人道主義の原則から、中共にこれら脱北者の韓国定住を許すよう求めていますが、中共は、これら北朝鮮人を釈放することに対し、極めて消極的です。
７月上旬、習近平国家主席が韓国を訪問し、マスコミも大々的に報道したため、中韓関係はより深まることが期待されていました。
ある評論家は、中共の高層部の権力闘争により、現在、微妙な情勢になっていると分析します。江沢民に通じる上海派閥が１か月にわたる空中軍事規制を行っている今、脱北者を逮捕したのは、エスカレートした権力闘争と関係あるのではないかと述べました。
時事ウォッチャー 陳明慧さん
「脱北者は誰の手に落ちるか、習近平一派です。彼は先日の訪韓で友好を示しましたが、もし この件が江沢民一派の手に落ちれば、事態を大きくし、わざと習を困らせるでしょう」
北朝鮮の法律は、脱北者を最低でも強制収容所に５年収容すると定めていますが、場合によっては終身刑、処刑もあり得ます。脱北に成功した人々によると、送還された脱北者は妊婦を含めて大多数が銃殺刑となります。あるいは、逃亡を防ぐためワイヤーを鎖骨に通されるなど、非人道的な待遇を受けます。
中共は政権樹立以来、北朝鮮から逃げてきた人々を逮捕し、送還してきたため、国際社会から強い非難を浴びています。
大陸のブロガー 劉逸明さん
「送還するなど中共は非道です。中共は金家王朝との関係を維持するため、北朝鮮の意向に沿って処理してきました。仲間を失うのが怖いのです」
現在、残されている共産党国家は、中共、北朝鮮、キューバなど数えるほどしかありません。北朝鮮の初代の指導者、金日成（キム イルソン）は、ソ連と中共の支援で政権を奪い、極東の共産党支部のような存在になりました。
劉逸明さんは、1980～90年代、東ドイツから西ドイツに多くの市民が逃亡し、それが東ドイツの共産党政権の崩壊をもたらし、東ヨーロッパと旧ソ連の市民にも勇気を与えたことを取り上げました。
大陸のブロガー 劉逸明さん
「独裁政権は国民がほとんど逃亡すれば、その政権は崩壊します。だから共産党政権は国民を閉じ込めるのです。国民は搾取され、官僚は甘い汁を吸い、政権は維持されます」
脱北者を援助する韓国の民間団体は先日、恐らく中共は北朝鮮の秘密警察が中国国内で脱北者を尾行するのを許しており、だからこそ、今回、山東省と雲南省、２つの都市で脱北者がほぼ同時に逮捕されたのだと指摘しました。中共高層部の権力闘争が、これら脱北者の運命に影響するのか、国際メディアも注目しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/25/a1125447.html（中国語）
（翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/李）
