【新唐人2014年12月15日】12月12日、「南水北調」プロジェクトの中央線の通水が行われ、大陸メディアはそのメリットを大々的に報じています。一方、西側の主流メディアは、南水北調プロジェクトは汚水を各家庭に引き入れる可能性があると伝えています。
中共の官製メディアは、南水北調プロジェクトの中央線の通水によって、北京市、天津市、河北省、河南省の4つの省と市のおよそ6000万人が直接、水質の良い漢江の水を飲用できるようになったと報じています。
一方、ロイター通信は13日の報道の中で、中央線プロジェクトは取水場所である「丹江口(たんこうこう)ダム」の汚染が深刻なうえ、通過する河南省淮河(わいが)流域はガンの高発生地域であると指摘。水利専門家・王維洛さんも過去に発表した文章の中で、南水北調プロジェクトは汚水を北に流すので、北京にガン村を招く可能性があると警告しています。
南水北調プロジェクトの水源付近に位置する湖北省十堰市(じゅうえんし)竹山県滾子領(こんしりょうそん)村の村民によると、地元にはごみ処理場があり、ここ12年間 拡張を続け、環境と水源が深刻な汚染を受けています。村民らは何年も告発しているものの、効果がないと訴えます。
湖北省十堰市竹山県滾子領村 王さん
「ごみ処理場は南水北調の水源に近く、500mも離れていません。臭いがあり、蠅や蚊が飛び回っています。家禽も毎年たくさん死んでいます。訴えても無駄です。拡張工事の時、村民が阻止したら、政府に逮捕されました」
アメリカに本部を置く中国語メディア「看中国」によると、中央線の取水場所である丹江口ダムでは今年6月、全窒素(TN)が基準値を超えていることが明らかになり、ダムに流れ込む一部の水質は基準を満たしていません。ダム水面にはごみが浮かび、上流の陝西省安康市(あんこうし)紫陽県の都市汚水が未処理のまま流れ込んでいます。
さらに、河北省の村落数か所を通る雨水導流溝は、汚水溝に変わり果て、深緑色の汚水が悪臭を撒き散らしているそうです。この導流溝は南水北調の開水路から10メートルも離れていないそうです。
報道ではまた、この様な水がすでに南水北調の中央線を通じて、北京や天津などの都市に流れ込み、多くの家庭の飲用水として供給されているのだと伝えています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/12/13/a1161124.html (中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/萩野 映像編集/李)