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今度こそ住宅価格は下がるか

2011年05月01日
【新唐人日本2011年5月1日付ニュース】上がり続ける住宅価格に歯止めをかけるため、中国では新たな金融引き締め策が打ち出されそうです。では、一連の政策によって中国の住宅価格は大幅に下がるのでしょうか。専門家の声をお聞きします。
 
中国の金融業を管理・監督する中国銀行業監督管理委員会の劉明康委員長は、住宅ローン利上げの試験運用について言及しました。
 
たとえば住宅価格を3割下げるのに0.27%の利上げ、4割下げるのに0.54%の利上げ、5割下げるのに1.08%の利上げといったテストをやり、その最終結果をもとに、金融引き締め策を推し進めていくかを決めます。
 
この一連のテストは北京、上海、深セン、広州、重慶、杭州、南京など、住宅ローンのリスクが高いとされる7つの都市で実施される予定です。では、中国の住宅価格は本当に、これによって大幅に下がるのでしょうか。
 
これについて専門家は、中国の不動産価格はすでにピークに達したものの、世界の他の不動産バブルとは明らかに違うと指摘しました。
 
政治・経済専門家 草庵居士さん:「中国の地方財政は不動産に依存しています。土地は私有ではなく、政府所有だからです。これが中国の明らかな特徴です。不動産価格と土地財政、さらに政府の収入は密接に関わります」
 
当局によると、去年、国有地の譲渡による収入は2兆9千億元、日本円で約36兆円、前年の2倍でした。2006年から2010年までで、土地の譲渡による国の収入は7兆元余りで約88兆円。地方都市の中には、土地による収入が財政収入の8割を超えるところさえあります。
 
土地の監督に関わる当局の関係者も、この理由のため、地方政府は土地の売買に躍起になり、次の世代の利益を犠牲にしていると認めました。
 
最近、住宅価格を抑えるため、中国当局は矢継ぎ早に政策を打ち出しているものの、価格の高騰はとまりません。
 
当局は不動産業者に対して、コストを削減して住宅価格を抑えるよう求めているものの、これには限界があると専門家は指摘します。
 
政治・経済専門家 草庵居士さん:「ビルの建設費用のうち、7割は土地代と税金で、建築コストと利益は3割のみ。価格抑制のカギは政府こそが握っています。だから中国政府が次々打ち出す抑制策は実際のところ、中央政府と地方政府の格闘です。業者との関連は大きくありません」
 
最新の当局のデータによると、3月、前の月よりも新築の住宅価格が下がったのは、70都市のうち、わずか2都市にとどまりました。
 
政治・経済専門家 草庵居士さん:「もし政府が住宅価格を抑えず、価格が暴走したら、バブルが崩壊し、国有銀行に一番損失が出ます。すると中国経済が停滞し、崩壊するでしょう。でも不動産価格を下げて、地方政府の収入が減れば、地方政府の政権維持が困難です。矛盾が中央銀行から中央VS地方、地方VS民衆へ移り。人出が不足すれば地方政府は暴動を抑えられません」
 
経済問題に詳しい上海の葉檀さんはフィナンシャル・タイムズへの寄稿で、誰もが健全で理性のある市場を望むものの、中国はその逆だと指摘。
 
つまり、中国では政府の一声で市場が一瞬にして固まってしまいます。価格が下げられるのかが問題ではなく、政府が下げる意思があるのかが肝心だと葉さんは強調しました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 

 

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