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四川省、出稼ぎ労働者の公開裁判に対し司法への非難集中【禁聞】

2016年03月24日

【新唐人2016年3月24日】

 

中国黒龍江双鴨山(そうあさん)鉱山労働者の、給料未払い問題がまだ解決されていない中、四川省閬中(ろうちゅう)市で出稼ぎ労働者の公開裁判が再びメディアの注目を集めました。8名の出稼ぎ労働者が街で給料の支払いを求めたことで、武装した警察に市中を引き回された後、広場で公開裁判をうけたことで、輿論の強い非難を浴びました。「給料を払わない人が無罪、給料を払うように求めた人が有罪?」とネットユーザーが当局に答えを求めました。

 

3月16日、インターネットで、四川省閬中市裁判所が出稼ぎ労働者を公開裁判する写真がアップロードされました。臨時に作られた法廷で、被告である8名の出稼ぎ労働者が腕を縛られ、1人が2人の警官に挟まれ、横に並ばされ、台の下には、重装備の警官が警備し、周りは大勢の見物者に囲まれ、文革の公判大会を思わせる雰囲気でした。

 

中国メディアの報道によると、四川省閬中市裁判所が公開裁判を開き、8名の給料の支払われていない出稼ぎ労働者が「給料を求める出稼ぎ労働者を煽動し、観光地を塞ぎ、警官を人質とし、社会秩序を乱し」たとして起訴されました。法廷が「公務妨害罪」で8名の出稼ぎ労働者に6か月から8か月の実刑判決を言い渡しました。

 

裁判官は、最後に、「これを戒めとして、今後、自己の権利を守るときには合法的手段を選ぶべきです。国には法律があり、給料を求めて行き過ぎた行動を取ったら、法律で罰せられます」と締めくくりました。

 

閬中市裁判所のやり方は、メディアやネットで非難を受けました。本部が香港にある労働者の権利を守る非政府組織「中国労働透視(SACOM)」の幹部鄒幸彤(そう こうとん)氏は、「閬中市の裁判官が、権利を守るとき合法手段を選ぶべきだと指摘すると同時に、法律機関として、出稼ぎ労働者の権利を守る責任を果たしたか否かを、反省すべきではないでしょうか」と話しました。

 

「中国労働透視」の幹部鄒幸彤氏

「中国の出稼ぎ労働者への権利保障の不十分、これが事件の元の原因で、起因でもあります。今 責任も罰も全部出稼ぎ労働者に被せたわけで、極めて不公平です。もし 彼らが自分たちの労働の報酬をもらえるなら、こんな事をしなくでもよかったわけです。裁判所には出稼ぎ労働者の実状への配慮がありません」

 

SNSでユーザーが、「給料未払いがないなら、求めることもない」、「正常な解決方法があるなら、誰も過激なことはしない」、「給料未払いをしている人が制裁されず、出稼ぎ労働者が罰せられるとは」と批判の声が上がっています。

 

労働問題の研究者王江松(おう えしょう)氏

「なぜこんな方法で給料を求めたかを追及せず、給料未払いをした悪意のある人を追及しない、これは明らかに司法の不公正です。皆が知っています。出稼ぎ労働者は始めは法律に基づいて手順を踏んでいました。だが どんな方法を取っても無駄だったから、過激な方向に向かったのです。彼らにはこんな手段しか残されていなかったのです」

 

また、公判のやり方について、法律界や法学者の多くは、殺人者に対しても、公開裁判をしてはならない決まりで、出稼ぎ労働者に課せるのは、人権の侵害及び法律の違反だと指摘しています。

 

王江松氏

「公開裁判は人格と尊厳を守る権利を侵すものです。憲法で守られた公民の権利及びプライバシーの権利の侵害です。公開裁判は文化大革命以来、基本的には廃止されており、社会の怒りを引き起こしたのは当然です」

 

安徽省検察院元検察官瀋良慶(しん りょうけい)氏

「出稼ぎ労働者への実刑判決は不公平です。これは弱い立場の人への露骨ないじめです。公開裁判は人格への侮辱で、違法であることは閬中市裁判所もわかっているはずです。こうするのは目的があるからです」

 

安徽省検察院元検察官瀋良慶氏は、「1988年、「両高(中華人民共和国最高人民法院と最高人民検察院)」と公安部共同で囚人の市中引き回りを禁止する法律が制定されたことを閬中市裁判所が知らないはずはありません。こうする目的は、見せしめです。やり方は、中央テレビの公開謝罪と同じです。」と指摘しました。

 

社会の不満が大きいため、閬中市裁判所の公式ウェブサイトは、関連する報道を削除したことが分かりました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2016/03/19/a1258424.html (中国語)

(翻訳/小松 ナレーター/萩野 像編集/李)

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