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ムーンフェイス―尽きないドーピング

2010年03月15日

癌の化学治療などの副作用で、顔が真ん丸く腫れ上がっている方を時折見かける。いわゆる「ムーンフェイス」だ。これは副腎皮質ホルモンの投与が招いた、代謝の乱れが原因である。

副腎皮質ホルモン、俗にいうステロイドと聞いて思い浮かぶのは「ド-ピング」である。特にオリンピックでのドーピングは痛ましい。
 
この華やかなスポーツの祭典に、人々は毎回感動の渦へと巻き込まれる。我々がその感動に酔いしれている最中、突如聞かされるドーピングのニュース。オリンピックが与えてくれた夢も感動も、これで一気に吹き飛んでしまう。
 
このドーピングだが、一般に用いられるのは副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンだ。副腎皮質ホルモンは主に、糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに分かれる。前者は血糖値を上げ、後者は血圧を上げる。
 
一方の副腎髄質ホルモンはアドレナリンとノルアドレナリンなどだ。これはストレスに対し、闘争あるいは逃避という全く相反する反応を促す。
 
つまり副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモン、ともに人を興奮状態へと導く。それにより、パワーアップした感じになり、普段では出来ないようなパフォーマンスが可能となる。これが簡単な原理である。
 
もちろんこのような禁止薬物を使用することは、公平な競争という点からも、アスリートの健康という点からも絶対に禁止すべきである。だからこそ、人々のドーピングに対する視線も日増しに厳しくなっている。加えてドーピング検査の精度も近年格段にアップした。
 
にもかかわらずドーピングは減るどころか、逆に広がりを見せている。一体なぜか。どうすればこれに歯止めがかかるのか。
 
結局決め手になるのは、人の「心」ではないだろうか。規則違反をして輝かしい成績を残すくらいなら、スポーツマンシップにのっとり自らの誠実さを貫きたい。そんな揺るぎない意思を持ち、欲望に打ち勝つこと。それが出来なければ、このいたちごっこに終わりはないのである。
 

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