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【禁聞】汚染地に建つ住宅 人体への深刻な害

2013年06月19日

【新唐人2013年6月19日付ニュース】都市化が進められている中国ではここ数年、元々ごみ処理場や回収施設および化学製品企業用地だった土地がこっそりと住宅地や商業地域に変わっています。しかし、汚染された土地は数十年、さらには百年以上も毒素を放ち続けるといわれています。これらの土地に住む人々は、驚くべき健康への脅威をうけていると報告されています。

 

イギリスの新聞「ガーディアン」は、中国の高勝科さんと王凱さんが、ここ数年都市部の汚染された土地についての調査や公表に尽力し、「中国対話(China Dialogue)」の最優秀調査賞とガーディアン紙の中国環境報道賞を受賞したと伝えています。

 

中国の土壌汚染地に建つ宅地建物問題が、再びメディアの注目を受けています。

 

報道によると、農薬工場が移転したばかりで土壌が修復されていない土地に住宅が建てられ、販売されているそうです。

 

台湾師範大学化学学部の教授で環境毒理学専門家の呉家誠教授は、汚染された土壌中には揮発性と非揮発性の二種類の汚染物質が存在し、どちらも人体の健康にとって脅威であると指摘します。

 

台湾師範大学化学学部 呉家誠教授

「土壌或いは地下水には有機溶剤が含まれ、ガソリンのようなものに、汚染されると ゆっくりと揮発します。リンパ腫や白血病、呼吸器癌の原因になる場合もあります」

 

呉教授はまた、土壌の中に残留している工業材料には非揮発性の重金属が存在し、接触という形で人体にダメージを与え、特に子供はその影響を受けやすいと指摘します。

 

台湾師範大学化学学部 呉家誠教授

「もう一部は揮発しないもので、建築業の建築廃液や電池回収工場の材料などの類で、中に重金属が含まれます。我々の居住環境の周囲に普遍的に存在しているので、子供が外で遊んでいる時に身体や皮膚にこの重金属が付着する可能性があります。体内に入り込む可能性もあり、健康にも影響があります」

 

また、重金属汚染区域では関係する一連の法的措置を完備させるべきだと指摘します。台湾では通常、このような土地は土壌浄化をおこなってから利用しているそうです。

 

70年代末、アメリカでは化学系廃棄物の埋立地跡の上に住宅地を建設した結果、住民に流産や死産、腫瘍などの現象が現れたため、後に、ブラウンフィールド法が制定されました。

 

呉教授は、揮発しにくい汚染物質はその毒性の放出に数十年から100年間かかり、揮発しやすいものでも数十年続くと指摘します。

 

重慶市では2004年から2012年の間、汚染工場137社が移転しました。これらの工場跡地の多くは現在、主要な住宅地になっています。江蘇省では3年続けて4000社以上の重度の汚染化学品メーカーが移転。残された汚染面積は把握されていません。

 

北京では2001年から2005年の間、142社のメーカーが移転し、その跡地878万平方メートルは再利用されることになります。北京市環境局によると、2004年から現在まで、汚染工場の跡地として確定されたのは僅か十数か所だけだそうです。

 

このほか、中国の社会活動家・胡佳(こ か)さんは、多くのごみ処理施設や非金属処理工場の跡地が、住宅地や商業区として開発されていることを指摘します。

 

中国の社会活動家 胡佳さん

「土地は最も価値があるので、現在当局は土地財政で、私腹を肥やしています。何の用途の土地で、あったかには構わず、核廃棄物埋め立て地でも、ごみ処理場でも、鉱物精錬工場でも、とにかく開発して、金になりさえすれば、売り渡した後のことなど、関係ありません。こんなことが中国各地では普遍的に見られます」

 

胡佳さんは、民衆は事情を知らない、或いはこの分野に対してよく知らないため、政府が許可したからには問題があるはずはないと考えると示します。また、この種の物件が出されると、売れるのも速いそうです。

 

中国では農薬工場では通常、農薬残留と有害化学残留物は地下5〜6メートルに埋めてしまいます。2004年4月、北京市南三環(なんさんかん)の地下鉄工事現場で、地下で作業していた作業員3人が中毒を起こす事件が発生。現場は以前、農薬工場でした。

 

2006年7月、蘇州の南二環路付近の化学品工場が移転後、およそ1.3ヘクタール(20畝)の汚染された土地が残され、現場にいた6人の建築作業員が穴を掘る作業中に意識不明になりました。

また、2007年にも中国の旧正月期間、武漢市の工事現場で掘削作業を行っていた際、作業員たちが次々めまいや呼吸困難を訴え、中毒者数人は病院に搬送されました。この工事現場も農薬工場の跡地でした。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/06/15/atext914664.html  (中国語)

(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/大口 映像編集/吉原)

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