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【世事関心】中国共産党による臓器狩りを暴く――臓器狩りの調査報告書

2010年11月24日

【新唐人2010年11月25日付ニュース】2008年11月、国連・拷問禁止委員会の第41回会議が開催。中国共産党が提出した人権報告書と非政府組織の出した意見や資料が審議されました。11月21日、委員会は中国共産党に対し、法輪功への弾圧が始まって以来、中国で急増した臓器移植と、臓器の出所について説明するよう要求。同時に、独立調査と関係者の処罰も命じました。

2006年3月、法輪功学習者への臓器狩りが暴かれたあと、2007年、カナダの人権派弁護士、デービット・キルガー氏とデービッド・マタス氏は、独立調査報告書を発表。2008年、国連の拷問禁止委員会は、中国に詰問しました。
 
この驚愕の事件は、人々に大きな衝撃を与えました。世界の関心も高まる一方ですが、当事者の中国共産党は、いまだに何ら中身の伴った説明をしていません。一方、人権団体や個人の懸命の調査により、様々なルートから、この件の詳細や証言が浮かび上がってきました。
 
2007年1月、カナダの有名な人権派弁護士、デービッド・マタス氏と、元国会議員のデービッド・キルガー氏は、中国共産党による法輪功学習者への臓器狩りの調査報告書を発表。
 
この第2版の報告書では、証拠の種類が第1版の18種類から33種類に増加。より多くの病院や刑務所、裁判所に対する電話調査や不法に監禁された法輪功学習者の証言もあります。このほか、中国で臓器移植の手術を受けた外国人の患者の取材も加わりました。衝撃的な報告書を出した2人は、世界各地で講演を行い、報告書を紹介しました。また、第3版の報告書の作成のため、さらなる証拠集めもしています。
 
2008年7月、マタス氏はアメリカで、かつて中国・江蘇省(こうそしょう)の刑務所に服役していた男性を取材。法輪功学習者ではありませんが、当局からの迫害を避けるため、「ラニー」という仮名を使います。
 
2005年3月から2007年初めまで、2年余りの間に、ラニーさんは17回も部屋が替わりました。部屋の受刑者は「2002年から2003年の間、どの部屋にも法輪功学習者からの臓器狩りが2,3件はあった」と彼に告げました。
証人 ラニーさん(仮名)
「刑務所では毎年健康検査が2回はありました。服役が長い受刑者によると」ねらいは臓器狩りです。例えばたくましい若者が臓器狩りの対象です。つまり死刑囚と法輪功学習者。彼らへの検査は詳しく、他の人の場合はいいかげんです。目的は死刑囚と法輪功学習者の健康診断です」
 
ラニーさんは、臓器狩りの対象者が薬物注射される姿も目撃しました。
  
デービッド・マタス氏 カナダの著名人権派弁護士
「かつてラニーさんは麻酔薬を静脈注射されるのを見ました。
 
記者
「首ですか」
 
デービッド・マタス氏
「首です」
 
証人 ラニーさん(仮名)
「この目で見ました。縛られた人が横たわり、目を閉じていました。麻酔薬を打たれたからです。大きな注射でした。指3本分の太さです。中には液体があり、元々半分ほど液体があったのに、私が戻った時には液体がなくなっていて彼はベッドにもたれ、目を閉じていました」
 
デービッド・マタス氏
「外にはいつも病院の白い車が止まっていました」
 
証人 ラニーさん(仮名)
「私は取調べを受けていた時、車が中庭に入ってくるのを見ました。白い救急車より大きかったです」
 
デービッド・マタス氏
「監房のボスはラニーに、この人はこれから臓器をとられるんだと告げました。外で待機する車も静脈注射も
そのためです」
 
2006年11月、ラニーはほかの監房に移されると、「陳さん」という法輪功の学習者に出会います。
 
証人 ラニーさん(仮名)
「私が来た時彼はもう行く所でした。私と過ごした時間は短いですが、彼は決まりを守らなかったとかで、ひどく殴られ足も折れました。座ることもできなくなり、腰もだめになりました。呼吸すら大変そうでした。最後彼は連れて行かれ、それ以来消えました…」
  
デービッド・マタス氏
「監房のボスによると、法輪功学習者と死刑囚は同じ手続きを踏みます。まず血液検査。首に注射をされて、白衣を着た人に連れて行かれ、外に病院の車が待機している」
 
証人 ラニーさん(仮名)
「後で彼は臓器狩りにあったと聞きました。法輪功学習者への臓器狩りは、あの刑務所ではよくあるそうです。彼らを殴ってから、生きたまま臓器を奪う。臓器狩りと処刑は刑務所では常識で、隠し事でもなく外の人だけが知らないのです」
 
ラニーさんによると、刑務所の警察が法輪功学習者をリンチするのは、臓器狩りがねらいだといいます。もし、その学習者の血液型などが移植を待つ患者とぴったり合えば、その人はリンチの対象になります。
 
記者
「ねらいを定めたらその人にリンチするんですか」
 
証人 ラニーさん(仮名)
「はい。とりわけ厳しく接します。殴ったりして、けんかをふっかけます。最初は口げんかで、その後は暴力です。不服するとまた殴ります。これを繰り返し肋骨や足が折れるまで殴ります」
 
デービッド・マタス氏
「法輪功の学習者が刑務所に入れば、臓器狩りの対象となると私は見ます」

 

マタス氏とキルガー氏は、法輪功学習者の臓器狩り問題の調査のために、お金と時間を犠牲にしただけではなく、世界各地の中国大使館やその傘下の組織から激しい妨害に遭いました。

2006年8月、オーストラリアのメルボルンで国会議員のビクター・パートン(Victor Perton )氏がキルガー氏をあるフォーラムに招待。中国領事館はこれに対し、全ての国会議員にフォーラムの欠席を促す書簡を送りました。
 
2006年9月、フィンランドのヘルシンキのフィンランド議会人権委員会は、マタス氏との会談を拒否せよとの中国大使館の電話を受けました。
 
2007年5月、イスラエルのベイリンソン(BEILINSON)病院が臓器移植の討論会にマタス氏を招待。すると、中国大使館はイスラエルの外務省と衛生省に対し、病院の活動とマタス氏の招待を取り消すよう圧力をかけました。
 
マタス氏
「カナダ放送協会(CBC)が、ドキュメンタリー制作のため、我々に取材をしました。我々は調査報告書を話しました。CBCが番組の予告を流すと、中国政府はCBCに電話をして、放送停止か内容の改変を迫りました。CBCも中国大使館からの電話を公に認めています。CBCは報告書の内容を削除しました。番組の製作者は削除を拒んだので、CBCは自分で内容を変えました」
 
マタス氏は、中国政府関係者から脅しを受けたこともあります。
 
マタス氏
「豪州ゴールドコースト大学のイベントに出る予定でした。大学が活動の予告を出しましたが、後に活動は取り消されました。そこで私は他のところでイベントを行いました。その様子をインターネットで中国向けに放送しました。ネットを通じて中国でも聞けたのです。会場には数百名、中国でも数百名が聞いていました。私は講演後、質問を受けました。中国会場どちらの質問もOKでした。中国からこんな質問がありました。『私はネット警察だ、あなたは自分がしたことで殺されるかもしれない、怖くはないのか』。私はこう答えました。『真相を伝える人を殺すことで、この問題は解決できない、問題はこの事実自身であり、私の発言ではないのです』」
 
マタス氏らの出した報告書に対し、当局はある手段に出ます。2007年6月、共産党系の香港のテレビ局、フェニックステレビはこの報告書に反論する内容の番組を制作し、放送。マタス氏とキルガー氏の取材を受けた官僚や医者にインタビューする形で、この報告書に反論しました。
 
中国当局は、この番組のDVDを国外に広めました。しかし、この番組は逆に独立調査報告書の信憑性を高めました。
 
独立調査報告書に挙げた33種の証拠の内の1種は、中国当局の発表した数字です。1999年法輪功への迫害が始まってからの5年間で、中国の臓器移植の数は以前の3倍余りに激増。この突然増えた臓器の出所について、当局は一切の説明すら出来ていません。
 
報告書はまた、中華医学器官移植学会の石炳毅(せきへいき)副主任が2006年3月2日「健康報」に発表した、「臓器移植の敷居を高くすべし」の中の数字を引用。「全国ですでに、9万件以上の臓器移植が行われ、去年だけでも1万件近い腎移植と4千件近い肝移植が行われた」そうです。
 
しかし、フェニックステレビの番組で石(せき)氏は、この発言を否定しました。
 
中華医学器官移植学会 石炳毅・副主任
「そんなこと言ったことないです。私の頭にそんな数字はないからです。詳しい調査もしたことないです。手術のデータについて、私は知らないから、言うはずもありません」
 
マタス氏らの報告書が引用した石氏の原文は、インターネットで調べられます。しかも、中国の別のメディアも転載しています。中華医学器官移植学会の他の専門家も、似たようなデータを出しています。中国政府やメディアの公式サイトでも、あまねく見られます。
 
これらの数字と「健康報」が2006年に伝えた9万件余りの数は、似通っています。
 
報告書はさらに、中国の医者に対して行った電話調査の結果も記載。臓器が必要な患者の家族に扮した調査員は、健康な法輪功学習者の臓器が得られるのかと医者に尋ねます。
 
中には、法輪功学習者の臓器を使っていると認めた医者も多くいました。
 
広西(こうせい)民族病院の医者、盧国平(ろこくへい)氏は、調査を受けた1人です。フェニックステレビの番組の取材に対し、盧氏は調査員の電話を受けたことを認めたものの、法輪功学習者の臓器を使ったという回答はしていないと述べました。
 
 
広西民族病院の医者 盧国平氏
「法輪功の臓器なのかと聞かれました。私はその種の手術に関わっていないし、臓器の出所も知らないと答えました」
 
 
調査員
「同級生は何か言っていないですか。使っているのは全部法輪功の臓器だとか…」
 
盧国平氏
「一部は法輪功で、一部は患者の家族のです」
 
調査員
「あじゃあ、法輪功の臓器を子供に移植させたいですが、彼が見つけてくれるでしょうか」
 
盧国平氏
「必ず見つかります」
 
フェニックステレビ
広西民族病院の医者 盧国平氏
「この報告書によると、以前使われた法輪功の臓器は刑務所から来ていて、私はこれを肯定したとありますが、そんなふうに答えていません。病院も私もそんな条件がないので、臓器を得るのは無理です」
 
 
調査員
「以前使っていた臓器は刑務所が出どころですか」
 
盧国平氏
「刑務所ですよ」
 
調査員
「刑務所ですね。健康な法輪功でしょう?」
 
盧国平氏
「ええ、ええ。いいのを選びます。これは質が大切だから」
 
フェニックステレビ
盧国平氏
「2つ目の問いは『医者は直接刑務所に行って選ぶのか』、私が肯定したと言っていますが、
そんなこと聞かれていません」
        
調査員
「医者は刑務所に行って、自分で選ぶんですね」
 
盧国平氏
「ええ、必ず選びますよ」
 
調査員
「でも相手が採血に応じなかったら?」
 
盧国平氏
「必ず応じるはずです」
 
調査員
「どうやって」
 
盧国平氏
「刑務所の職員がいますから、そんなこと心配しないで。彼らが上手くやります」
 
調査員
「彼らは自分の臓器がとられるのを知っているんですか」
 
盧国平氏
「いいえ」
 
調査員
「知らないんですか。知ったら、拒否するでしょう」
 
盧国平氏
「ええ、もちろん」
 
調査員
「じゃあ、どう説得を?聞かれた時の返答は?」
 
盧国平氏
「刑務所の職員はそこの所はうまくやります」
 
マタス氏
「彼らの番組は面白いですね。このような反応を見せています。実におろかな反応です。ある意味ではこれで確認できると思います。彼らが唯一できるのは全力でネットの情報や録音を否認することであれば、明らかに我々は彼らの急所に触れたと思います」
 
問題が発覚した後、2007年5月、当局は臓器移植の新たな管理条例を打ち出しました。臓器狩りから手を引く決意をしたのでしょうか。
 
米国良知基金会・研究員 陳師衆さん
「中国共産党は長年ずっとこの手を使っています。多くの法案、法律や行政命令で拷問を抑えるといいますが、実際それらは守られていません」
 
リーサイ レミッシュ氏
「実際、法輪功への迫害は法律の枠を超えるものです。例えば 610弁公室、法律の枠外にあります。超法規的な特殊な組織で、逮捕状がなくても逮捕でき、裁判がなくても収容所送りにでき、拷問ができますが明らかに違法です。 
 
彼らは捜査、暴力、逮捕、監禁、殺戮まで何でも出来ます。法律システムも同じです。法輪功学習者は公正な裁判を受けられません。彼らは弁護士を呼べません。弁護士が助けようとしても、例えば高智晟弁護士、高氏自身も監禁、拷問に遭いました。だからこの法輪功迫害は他の迫害、陳情者や民主活動家、キリスト教徒への迫害と同様ですが、法輪功迫害が最大です。でも唯一ではありません。法律の枠外で迫害されている団体です。おかしなことに法律で法律枠外のものを抑えようとしています」
 
 
米国良知基金会・研究員 陳師衆さん
「だから、この種の人をだます手段は実際は悪化しています」
 
法輪功の明慧ネットによると、2007年5月、中国当局が臓器移植の管理条例を出してからも、出所の分からない臓器を使った移植手術が全国で広く行われています。
 
調査の深まりにつれて、より多くの証拠が上がって来ました。これらの証拠は、中国・共産党政府による法輪功学習者の臓器狩りという事実を浮き彫りにしました。
 
大量の事実を前に、これを信じるのかどうか…それは一人ひとりの良心の選択にかかっています。自ら立ち上がって罪を暴露した人がいれば、これを直視しない人もいます。重要な人生の選択に対し、歴史は公正な判断を下すでしょう。
 
本日はありがとうございました。次回またお会いしましょう。

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