【新唐人2014年2月9日ニュース】中国国家審計署が先日発表した地方政府の債務統計データによると、2013年6月末までの中央政府の債務総額は30兆3000億元 。GDPの53.3%を占め、うち地方政府の債務は17兆9000億元に達しています。地方政府の債務リスクはどれほどの規模なのか。また、地方政府の債務リスクは中国当局の言うように「コントロール可能」なレベルなのか。いわゆる「国有企業の民営化」は、本当に地方政府の債務問題を解決できるのか。専門家の分析を聞いてみましょう。
昨年12月30日、中国国家審計署が発行した2013年第32号公告によると、2013年6月末までの中央政府と地方政府の債務総額は30兆2700億元。うち償還責任のある債務は20兆7000億元で、担保責任のある債務は2兆9300億元。政府が肩代わりする責任のある債務は6兆6500億元とみられ、負債総額は2010年よりも67%増加しています。
北京『国情内参』誌首席研究員 鞏勝利さん
「2013年は終わりました。31省市の国民総生産はおよそ61兆元。先ほどの負債総額と期限が来ている債務を控除すると、中国の現下の債務における問題が分かります」
北京の雑誌『国情内参』の首席研究員・鞏勝利さんは、アメリカやEUなどが制定した規則に基づくと、債務は国民総生産を上回ってはならないが、中国では地方債務が想像を絶するほどの額に達していると話します。
ロイター社の1月27日の報道によると、中国の31の省と直轄市のうち、30の省と市が地方債務会計監査声明を発表しましたが、その公共債務総額は3兆ドルに達しています。うち、負債が最も多いのは中国で最も裕福な東部の省で、GDPに占める割合は79%を超えています。
また、審計署の抜き取り調査によると、36の地方政府のうち、2012年の年末までに9の主要都市政府の償還責任のある債務が100%を超え、最も高い都市では189%でした。政府に担保責任のある債務も入れた場合、債務率は最大で219%に達するとみられます。
鞏さんは、南京、武漢、広州の3都市の債務が最も深刻で、債務総額はGDPを超えていると話します。
北京『国情内参』誌首席研究員 鞏勝利さん
「南京は深刻です。200%近くです。武漢が150%を超え、広州は100%超です。これらの都市が消費した金額はGDPよりも高く、広州では半分以上超過し、現在の状況からすると悪化する可能性があります」
鞏さんは、このような結果は、中国の負債返済と債務の生成や成長環境がスムーズでなく、政府の破産システムもないので、政府が中央銀行から直接金を動かして解決しているためだと指摘しています。
中国当局は先日、政府の総債務はGDPのおよそ53.3%。国際的に公認されている60%の警戒線以下であり、地方政府の債務リスクは「制御可能」であると発表しました。
中国の金融アナリスト・任中道さんは、中国のGDPなどのデータは、李克強首相からさえ、あてにならないと言われており、市場経済をもって中国政府を評価することは出来ないと話しています。
金融アナリスト 任中道さん
「周知の通り、中国政府はゴロツキ政権なので、その債務返済能力と返済意思の有無は疑問です。一部国際組織の学者や研究者もこの60%警戒線の数字を用いていますが、中共の本質からこのように評価する事はできません」
北京『国情内参』誌首席研究員 鞏勝利さん
「中国審計署はこれらの問題を解決できると言うが、中国政府の投資も浪費も政府に決定権があります。中国のもう1つのシステム、それは 政府は党の管理下に置かれ、党が同意しさえすれば、地方政府は借入ができます。長期にわたって、この様に債務管理をすれば、本当に危険です」
1月24日、スイスのダボスで開催された「世界経済フォーラム」において、中国国家発展改革委員会の張暁強副主任が地方債務問題に言及した際、中央政府の債務はGDPの20%、地方政府は40%を占めており、合わせて60%であると発表しました。また、精力的に混合経済を推進しているため、政府は「地方国有企業の民営化」を通じて、返済資金を得ることができると述べました。
任中道さんは、これは中国共産党の特権階級に道を開き、債務を転嫁すると同時に徐々に国有企業をコントロールし、国有資産を特権階級のものにしているのだと指摘しています。
鞏勝利さんは、中国共産党の体制を根本的に変えなければ、これらの債務は雪ダルマ式に膨れ上がるだろうと警告しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/02/01/a1054348.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/工)