【新唐人2014年7月27日】中国では、毒ミルク、工業用の赤色着色料、痩肉精、地溝油など毒入り食品が絶えないため、外国ブランドが好まれてきました。しかし、最近、アメリカ系の上海の食品加工会社「福喜食品」が期限切れの肉を使っていたことが暴露されました。工場はすでに閉鎖され、従業員5人が逮捕されたほか、その影響は香港と日本にまで広がっています。報道をご覧ください。
上海のテレビ局「東方衛視」の2か月にわたる潜入取材の結果、上海の「福喜食品」は期限切れの牛肉や鶏肉をマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど、外資系の飲食店などに供給していたことが分かりました。
「完全武装」した従業員が期限を1か月近く過ぎた原料をミンチにしてから、粉をつけて、揚げると、中国で子供に大人気のチキンマックナゲットに変身しました。
「東方衛視」の報道によると、工場は期限切れの肉の日付を改ざんしたうえ、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、ピザハットなどに供給していました。しかも従業員は記者に向かって「期限切れの肉を食べても分からないし、死にはしない」と笑い飛ばしました。
事態の発覚後、「福喜食品」は袋だたきに遭いました。工場がすでに閉鎖されたほか、従業員5人も逮捕されました。また、70億元の罰金に処されるという報道もあります。
さらにマクドナルドのCEOは、「福喜食品」にだまされたと発言しました。ある日本の業者は、「福喜食品」から年間6000トンの食肉加工品を輸入していましたが、契約を打ち切り、香港の業者も「福喜食品」からの商品の輸入をすべてやめました。
「福喜食品」の親会社、アメリカの「福喜集団」(OSIグループ)は、世界17か国に50以上の食品加工工場を持つ、国際的な食品メーカーで、2013年、雑誌「フォーブス」の収益ランキングで62位になりました。2010年に、中国の家禽産業に進出し、今年は中国で1億羽の家禽類を取引する予定でした。
「益仁平センター」の責任者 陸軍さん
「当局は行政の監督に依存しすぎています。司法に作用を発揮させず、消費者の権益も保護していません。民間団体にも力を発揮させないので、このような局面に至りました」
北京のNGO、益仁平センターの責任者、陸軍さんは、中国は染物がめと同じで、有名な外資系企業でも、中国の腐敗した行政および市場システムに入ると、変わってしまうと指摘します。ただし中国大陸の企業は、外資系ほど行政の監督が厳しくないので、「福喜食品」より問題が深刻かもしれないと述べました。
実は外資系食品のスキャンダルは、中国で初めてではありません。例えばケンタッキーフライドチキンは2005年、商品から工業用赤色着色料「スーダンレッド」 が検出され、2011年には「商品の豆乳はぼったくりだ」と集中砲火に遭い、2012年にはハンバーガーから基準を超える細菌が検出され、去年もまた、「問題の鶏」を使う事件がありました。
中国問題研究家の張健さんは、中国の食品問題の原因は、「法律が守られず、法の執行がいい加減で、監督が不十分なこと」だと指摘します。一方、海外では有名な外資系企業が中国の経営環境の影響でモラルが崩壊し、犯罪に走るのは、社会体制に鍵があると分析しました。
在米中国問題研究家 張健さん
「企業が安全な食品を提供するには、その国の体制が大事になります。経営者のモラルだけでは無理です。そのような環境がないと、どれほど清廉な経営者も不健全な競争環境に巻き込まれます」
今回、官製メディアが外資系の食品加工会社の不正を暴きましたが、最近、「中央テレビ」もiPhoneの位置情報サービスは国の安全の脅威になると報道しました。この指摘についてアップルは、iPhoneのサービスはユーザーの位置を暴露しないうえ、いかなる国の機関とも協力していないと反論しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/26/a1125682.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/李)