【新唐人2014年8月4日】中国の南部では大雨による深刻な洪水被害が起きましたが、その一方で、河南省・河北省など12の省は数十年ぶりの記録的な干ばつに見舞われ、地域によっては断水が3か月も続いています。これについて、当局が経済成長ばかりを追い求め、自然環境を破壊した結果、災害が頻発しているとの指摘があります。
今年、夏に入って以来、河南省・河北省・山西省・陝西省・湖北省・内モンゴル自治区・新疆ウイグル自治区など12の省と自治区は、数十年ぶりの干ばつに見舞われています。陝西省は53年ぶり、河南省は63年ぶりの記録的な干ばつです。その影響で、断水が3か月も続いている地域があります。
大陸メディアの報道によると、7月30日までに干ばつの被害を受けた農地は7200万ムーで、207万頭の家畜にも影響を及ぼしています。また、160万人が飲み水の確保に苦労しています。干ばつは主に、河南省の平頂山市、洛陽市、漯河市、許昌市、焦作市と河北省廊坊市、滄州市、保定市、唐山市、および陝西省渭南市などで起きていますが、とりわけ河南省の被害が深刻で、全国の干ばつ面積の半分を占めます。
河南省の農民 杜さん
「ずっと雨が降らず、作物は枯れました。飲み水は数十里離れた所に買いに行きます」
河南省の農民、杜さんによると、干ばつの影響で住民は皆、暮らしに困っていますが、政府は何もしないそうです。
陝西省の省都、西安市郊外の農民、趙さんは干ばつだけでなく、水利施設が破壊されている実情を明かしてくれました。
西安市郊外の農民 趙さん
「作物は枯れました。村の水利施設や井戸はかなり以前 人為的に破壊されて、作物の収穫はゼロです」
この趙さんによると、地元の村の幹部が人為的に水利施設を破壊したため、農民は耕作ができなくなりました。幹部は、その土地を転売して暴利を得たそうですが、農民はどこにも訴えられません。
ところでチベット高原は、中国における河川の重要な水源です。しかし、十数年来の西部大開発により、広大な草原が破壊され、土地が汚染されました。川床が露出している場所もあります。東北地方の湿地も含めて、中国では、このような現象が各地で見られています。
「ボイス・オブ・アメリカ」の中国語サイトは7月18日、アメリカ・タフツ大学のサルマン・カーン副教授の文章を引用して、「都市開発が招いた水不足や汚染問題に対して、中国人はすでに大きな不満を抱いている」と報道しました。当局がもし、水の危機をすぐに解決しないと、環境汚染だけでなく、人々の寿命を縮めるという悲劇を起こす可能性があると指摘しています。
記事はさらに、中国当局が推し進める「南水北調」は生態環境に大きな危険をもたらしたと述べています。この巨大なプロジェクトは、土壌の流出を引き起こし、逆に水不足をいっそう悪化させたものの、当局はまだ水資源保護に取り組まないと批判しました。
中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利さん
「南水北調、三峡ダム、ソ連の援助で建設した三門峽ダム、すべて後世に解決し難い災難を残しました」
近年、重慶市や四川省などで地震および土石流がたびたび発生していることについて、専門家などは、三峡ダムの完成で、周辺の環境が破壊されたことが大きく関係すると指摘していました。
大陸メディアの報道によると、8月2日から4日まで、四川盆地、重慶市、陝西省、山西省、河南省、湖北省などの一部地域で、最高気温が37度から39度に達しました。40度を超えた地域もあります。
7月30日、河南省当局は、平頂山市などに対して、「今後さらに1週間、雨が降らないだろう」と渇水警報を出しました。一方、8月中旬まで、陝西省では大部分で高温と雨不足が続くので、干ばつがいっそう悪化すると見られます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/08/04/a1127818.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/李)