【新唐人2014年8月6日】周永康の摘発により、中共の反腐敗キャンペーンは1つの高みに達しましたが、官製メディアは「これで反腐敗キャンペーンが終わったわけではない」と強調しています。周永康の摘発が発表された翌日、中央は上海に強大な布陣の調査チームを送りました。上海と言えば、江沢民の牙城です。習近平は上海閥を排除しようとしていると専門家は分析します。
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」は7月31日、習近平による反腐敗キャンペーン「トラ狩り」は、周永康では終わらず、これから江沢民の牙城、上海でも展開されると報道しました。
江沢民は1989年に総書記になる前、上海市のトップでした。江沢民、および今も大きな実権を持つ彼の腹心は、「上海閥」と呼ばれます。
「フィナンシャル・タイムズ」は、党の内部関係者の話として、「習近平は江沢民が党や軍に絶大な影響力を持っていることに強い不満を覚えている」と伝えました。
中国人民大学・政治学部 冷傑甫元主任
「江沢民は歴史の舞台から去っても、失敗に甘んじられず、習近平に反発し、妨害しています。反腐敗キャンペーンをあれこれ評論しました。自分に飛び火するのが怖いのです。曽慶紅と江沢民の息子、江綿恒も邪魔立てしており、習近平にとっては脅威です。上海に問題の根があるから、中央は調査チームを送ったのです。根を抜かないと世の中が安定しません」
中国人民大学の元主任、冷傑甫さんは、調査チームは上海で問題を発見するだろうが、元国家副主席の曽慶紅と江沢民の息子、江綿恒は習近平に免罪を求めるだろうと述べました。
中国人民大学・政治学部 冷傑甫元主任
「周永康と上海の問題への調査が始まりました。周永康への調査は曽慶紅や江沢民と切り離せません。江沢民が主席で、曽慶紅が副主席、周永康も常務委員だったからです。周永康事件を解明するには上海を調べねばなりません」
実は「トラ狩り」はすでに、江沢民と関係の深い人物数人にも及んでいます。「フィナンシャル・タイムズ」によると、「上海光明食品集団」の前会長、王宗南が収賄と公金流用の疑いで、7月28日から取り調べを受けています。
「上海光明食品集団」の前身は、「益民食品」です。一方、江沢民は1950年代、「益民食品」の副工場長でした。その後も江沢民は「上海光明食品集団」と私的な付き合いがあったため、前会長の取調べは、明らかに江沢民への警告だと見られています。
日本の英語オンライン雑誌「ザ・ディプロマット」は8月1日、中国随一の商業都市・上海は恐らく、ビジネスセンスのある公務員にとって、私腹を肥やす最適の場所だと指摘しました。しかし、これまで反腐敗キャンペーンは上海には及びませんでした。今回、習近平がついに調査チームを上海に送り込んだことは、元国家主席・江沢民を次の粛清の目標に掲げたことを暗示しています。
80年代、国家経済体制改革委員会の幹部だった曹思源さんは、これまで周永康への調査はタブーだったが、ついにそのタブーが解かれると指摘しました。
国家経済体制改革委員会・元幹部 曹思源さん
「かつて周永康に手出しできませんでした。周永康は紛れもなく、江沢民の人間ですから、周永康は上海も守ってきました。しかし失脚して、タブーも解かれ、彼の本性が明かされるでしょう」
アメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、かつて上海で反腐敗キャンペーンが展開された時、国の政治機関にまで影響が及んだと報道しました。胡錦涛前国家主席は2006年、調査チームを数か月もホテルに滞在させ、広い範囲で腐敗調査を行い、地元の多くの指導者層を逮捕しました。当時、上海市のトップだった陳良宇にも懲役18年の刑が下されました。
「フィナンシャル・タイムズ」は今回の調査チームについて、中央から直接、上海に送られたほか、北京出身で北京育ちの人物がチームの責任者に選ばれたことから、任務の重大さが見て取れると指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/08/04/a1127819.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/佐藤 映像編集/李)