【新唐人2014年8月8日】新疆ウイグル自治区カシュガル地区ヤルカンド県で7月28日に発生した襲撃事件について、中共は先日、「国内外のテロ組織が結託して行った悪質事件だ」と位置づけました。しかし、事実はまったく逆だとの声も聞かれます。AP通信は、当局は事件を一方的に報道し、独裁統治に不利な敵を悪魔化していると指摘。ジャーナリスト団体も、当局は独立メディアの現地取材を許すべきだと訴えています。
8月4日、AP通信は、ウイグル人は当局の迫害に恨みを抱いているが、当局はメディアを含めてほぼ一切を制御しており、新疆に関する報道も独占しているため、暴動に関して外部の人間は偏った理解しかできないと指摘しました。
AP通信はジャーナリスト保護委員会(CPJ)のアジア担当プログラム・コーディネーター、ボブ・ディーツさんの話として、「独立メディアの報道がない状況下では、政府は容易に敵を悪魔化できる」と伝えました。
世界ウイグル会議報道官 アリム氏
「中共のような独裁国家は。2つの手段に頼ります。1つは暴力、つまり軍や警察がウイグル人を殺す。もう1つは報道、官製メディアがウイグル人を悪魔化します。外国人記者、 外交官、国連に
真相を調査させません。つまり暴力でウイグル人を滅ぼし、嘘の報道で中国と世界の人々を欺くのです」
河北省人民ラジオ局・元編集者の朱欣欣さんは、特に当局に「暴力事件」と認定されると、関連報道は政府サイドの言い分一辺倒になり、市民は誰も自分の見解を発表できず、メディアも独立した報道ができないと指摘しています。
河北省人民ラジオ局・元編集者 朱欣欣さん
「中国で このような報道は信憑性、客観性、裏付けが欠けています。だから政府の報道に対し、
疑問を呈すのです」
先日ツイッターに、ヤルカンド県のウイグル族の情報が翻訳されて載りました。それによると、中共の軍はウイグル族の宗教活動を阻止するため、50人以上の女性と子供を殺害しました。人々が抗議しに行ったところ、「派出所を襲撃した」として逮捕されたため、警察と民衆の衝突に発展し、多くの村が虐殺に遭い、少なくともウイグル族3000人が死亡したそうです。
RFA、ラジオ・フリー・アジアのウイグル語報道によると、ヤルカンド県の政府職員には「取材は受けず、何も答えるな」という緘口令が敷かれているそうです。地元の住民は、「死者は3000人にとどまらないと皆、話している。虐殺は主に5つの村で起きたが、街頭のやじ馬から6歳の子供まで、農具を持っていた者は全員、殺された」と話しました。
河北省人民ラジオ局・元編集者 朱欣欣さん:
当「局の報道は完全に一辺倒で、一方的な宣伝です。現在 暴力事件については当局の命じる内容だけを報道させ、国内世論と外国メディアを誘導しています。同時にいわゆるテロ撲滅の口実を
作っています」
新華社の報道によると、新疆ウイグル自治区ホータン市の警察は、民衆の通報を受け、8月1日午後、モーユー県プチャクチ郷のトウモロコシ畑で暴徒の痕跡を発見しました。そこで警察は3万人以上の群衆と共に包囲し、最終的に9人を射殺、1人を逮捕しました。警察と民衆に死傷者は出なかったとも報じています。
しかし、この報道にネットユーザーは疑問を抱きました。なぜなら当局の資料でよると、プチャクチ郷の人口は3万人に満たないうえ、中央テレビが流した警察と民衆による暴徒包囲の映像にも、3万人で包囲したシーンはありませんでした。
にもかかわらず、ポータルサイト「新浪(シナ)」によると、3日午後、モーユー県では表彰式が行われ、8月1日の捕り物に参加した組織や個人、および重要な手がかりを通報した民衆に対し、合計423万元が配られました。
ドイツの放送局「ドイチェ・ヴィレ」は、メディアが大陸での報道を独立した立場で検証しようとすれば、地元当局に妨害されると指摘しました。
また最近、AP通信の記者一行が新疆のアクス空港に到着した際、空港に着いた時から尾行され、しかも記者と接触した民衆は、あとで全員尋問されたと伝えています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/08/06/a1128320.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/佐藤 映像編集/尹)