【新唐人日本2011年1月20日付ニュース】(新唐人記者、米国ワシントンから総合報道)中国大陸ではすでに帰省ラッシュの火蓋が切られ、各地の駅は人ごみであふれかえっている。1月18日、上海駅北広場の切符売り場では、奇妙な光景が見られた。切符の購入者は、1.2メートルの窓口に向かい、身を伏せ、頭を低くし、腰を引きながら係員とやり取りをしている。同様の光景が浙江省寧波駅などでも見られた。この種の中腰の切符購入の姿勢を、中国当局は国の基準だと言い放ったが、市民は逆に虐待だと強い怒りの声を上げた。
大陸からの報道によると、中国の年に1度の民族大移動は、今年おそらく史上最大規模に達する。累計で、28億5,300万人、昨年よりも3億人増加。今年は、春節が来るのが昨年よりも11日早いため、学生の帰省ラッシュ、農民工の帰省ラッシュ、親戚回りの帰省ラッシュと、3つの波がある。加えて北部の激しい雪、南部も広く雨雪に襲われたため、早めに帰省する人が増えた。そこでメディアは、今年史上最大規模の帰省ラッシュになると予測。
北京、上海、広州などの駅はすでに、黒山の人だかりだ。地方の鉄道部門は、実名制を採用しているものの、切符購入の大変さは変わらない。あるネットユーザーは、上海や寧波などの駅で、切符売り場の窓口が極めて低い位置にあり、客は“頭を下げ、腰を低くし、膝を曲げ、尻を突き出す”姿勢にならざるを得なくなっているのを目撃。これをネットに掲載したところ、広い怒りを呼んだ。“これは切符の購入か、それとも虐待か”
調査によると、上海駅北広場の切符売り場と浙江省寧波国際会議場の臨時切符売り場などは、窓口が地面からわずか1.1~1.2メートルに設計されているため、大部分の乗客が窓口の前で、身を伏せ、頭を低くし、腰を引いて係員とやり取りをしている。窓口が低く設計されている点について、係員が切符をやり取りしやすい高さにしたのだろうとの指摘がネットから出たが、駅員はこれに対し、窓口の高さは国の基準と一致していると釈明した。
この釈明は、ネットで激しい怒りを招いた。“また国の基準という言葉で人を脅す。係員のために設計しただけじゃないか。何が国の基準だ。一部の人が座って切符を売りやすいようにしただけなのに。立って切符を買う人の身になって考えたことがあるのか。公民の権利を侮る中国、本当に悲哀だ”
さらに“国の基準は人が決めたんだ!!!国の基準を決めたのは人間じゃないのか”“中国人、いつになったら尊厳をもって生きられるのか”と嘆きは尽きない。
“紅ネット”にはこんな文章が掲載された。“腰を引き、尻を突き上げる切符の買い方は、ぽかぽかした窓口の中にいる係員にとっては便利でも、肌を刺す寒風の中、何日も待ち続けた購入者にとっては、不便だし格好悪い”
“さらに、切符購入者は消費者であり、鉄道に利益をもたらしているのだから“神様”としてあがめるべきなのだ。それなのに、こんな卑しい格好をさせるとは!まるで飯を恵んでくださいと頼む乞食のようだ。この些細な動作から、鉄道関係者の傲慢な態度が見て取れる。民衆の個人の利益を考えることができていない”
鉄道部門は、国の基準に従って設計したと繰り返すものの、このような国の基準があるのか、門外漢の一般市民が知っているとは限らない。
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