【新唐人2015年04月06日】今年は第二次世界大戦が終わって70周年です。そこで、中国と台湾はいずれも大規模な軍事パレードを予定していますが、双方とも自分たちこそ日中戦争の勝利の立役者だと主張し、この対立は今も続いています。
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」は3月25日付けの記事で、中共は第二次世界大戦終結から70周年を祝うために、今年9月3日、かつて血なまぐさい虐殺が行われ、戦車も入った北京の天安門広場で大規模な軍事パレードを行い、各国の元首も招待すると報道しました。
しかし軍事パレードは第二次世界大戦の犠牲者を悼むというよりも、軍事パワーを見せつけるのが狙いだろうと分析しています。
また、パレードは「日本に勝利したこと」を記念するため、いっそう敏感な問題となり、中共から招待されたヨーロッパ各国の指導者を悩ませるはずだとも分析しています。もしパレードに出席すれば日本の怒りを買うからです。パレードは軍事力の誇示のほか、日本を威嚇する狙いもあります。
3月30日、中共外交部は定例の記者会見で、記者に「一部の国の指導者が記念式典への出席を望まないことを案じるか」と問われると、「外交ルートを通じて、関係方面と意思疎通を続ける」と答えました。この言葉から、出席を渋っている国があると推測できます。
情報によると、これまでのところ、ロシアのプーチン大統領しか出席を表明していません。
一方、台湾も今年7月に軍事力を披露する大規模な式典で、終戦70周年を祝う予定です。首相に相当する行政院院長は、「第二次世界大戦や東アジア研究の専門家を招待し、大規模な国際シンポジウムを開催して、正確な史実を明らかにしたい」と述べています。
実のところ、日中戦争において、中国と台湾、どちらが主導していたかの点で双方はずっと対立しています。
歴史学教授 劉因全氏
「共産党は抗日戦争勝利の指導者と称してきました。つまり『民族の英雄』です。これを中国統治の根拠にしました。そのために歴史を改ざんしたのです」
台湾の馬英九政府は日中戦争について、「蒋介石の指導の下、軍と民衆が共に努力し、奮闘し、最終的に勝利した」と述べています。
BBCの報道によると、台湾軍は幾度も、8年に及ぶ日中戦争は、実際のところ国民党傘下の軍隊が主力とだったと述べています。さらに、戦争状態を終わらせるために結んだ「日華平和条約」も国民政府が台北で日本と締結したと表明しています。
中国問題評論家 李善鑒さん
「共産党は抗日戦争でほとんど将校を失っていません。逆に抗日戦争の前後に軍隊の規模が拡大しました。戦争をしたのに、兵が減るどころか、逆に増えたのです。なぜでしょう?抗日戦争の過程でずっと共産党は主体的に参加せず、兵力を強化したのです」
長年、中共の政治や中台関係を研究している台湾大学政治学部の明居正(めい きょせい)教授は日本との8年間にわたる戦争において、中共は主力になったことがないと述べました。
台湾大学政治学部 明居正教授
「毛沢東自身 言っています。抗日戦争の時、国民党、共産党、日本人の関係は三国関係となり、毛は この関係を利用して、漁夫の利を得たと。毛の狙いは国民党を前線で戦わせ、消耗させたあと、背後で抗日を叫び、英雄の美名を得ることです。最後 この機会を利用して、国民党軍の兵力をそぎ、共産党を増強して、政権を奪いました」
歴史学教授 劉因全氏
「彭徳懐は八路軍(共産党)として、初めて日本に大規模攻撃をかけました。この件で毛沢東からずっと批判され、彭の罪状となりました」
有名な歴史学者の楊天石(よう てんせき)教授は「蒋介石研究の第一人者」です。先日「深セン晩報」の取材を受けた際、蒋介石は大陸にいた時、北上作戦を指揮し、国民党と国民政府を率いて日本と戦ったことは事実だと述べています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/04/02/a1188350.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/李)