【新唐人2015年05月24日】世界最貧国の一つであるカンボジアでは、貧血が大きな問題となっている。国民の7割が1日あたり1ドル未満で生活していおり、44%の人が貧血にかかっている。しかもその3分の2を子どもたちが占めているという。
貧血の子どもは発育が遅れているうえ、知力も平均値より低いという。BBCの報道によると、6年前からカンボジアのカンダル州の村落を訪れ研究活動を行っていたカナダ人青年、クリストファー・チャールズ(Christopher Charles)さんは、地元住民の健康を最も蝕んでいるのが鉄欠乏性貧血であるのに気付いた。
チャールズさんは薬物で住民たちの貧血んの改善を試みたが、地元では薬物が乏しいうえ高価なため、貧しい住民には大きな負担となった。
考えた末、チャールズさんは人々に鉄鍋での調理を勧めたが、住民たちは長年アルミ鍋に慣れているのと、鉄鍋は値段が高いため、抵抗を見せた。
貧血改善計画が壁にぶつかったチャールズさんは試行錯誤の末、ある方法を思いついた。それは鉄の塊を鍋に入れて調理する方法だった。チャールズさんは四角い鉄の塊を美しい花状にしたりして、地元女性たちの心を動かした。
そして最終的にたどり着いたのが、魚の形の「鉄魚」だった。カンボジアで魚は幸運の象徴でもあるため、地元の女性たちは鉄魚を好んで鍋に入れるようになった。
鉄魚は1枚わずか1.5ドルで手に入れることができる。8〜10cmほどの鉄魚一つで1日あたり必要な鉄分の75%を摂取できる。
ほどなくして、鉄魚は地元住民に広く受け入れられるようになった。チャールズさんの研究チームの調査によると、92%の家庭が鉄魚を調理に使用しており、貧血症状も改善されているという。
(翻訳/坂本)